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    アリスソフト (チャンピオンソフト)

    まあまあ(10点)
    2020年6月12日
    ひっちぃ

    冒険者ランスは失踪したお嬢様ヒカリを見つけ出すよう依頼を受け、リーザス王国の城下町に相棒の女奴隷シィルとともに潜入し、下半身の欲望のおもむくままに捜査を行う。エロアドベンチャーゲーム。

    鬼畜王ランスとして知られるエロゲー界の有名シリーズはこの作品から始まった。老舗エロゲーブランドであるアリスソフトのデビュー作の一つらしい。いまから三十年以上前に発売され、現在はフリーソフトとして流通を認められ有志により配布されていることを知り、ネットで探して手に入れて遊んでみた。まあまあ面白かったけどさすがにレトロゲーだしエロさも大したことはなかった。

    エロゲーだからいわゆるアドベンチャーゲームつまり選択肢を選んでいけば物語が進んでいくタイプのゲームかと思ったら、マップがあってその中を移動し、敵と戦ったり洞窟を探検したりするRPGの要素が結構あった。お金をためて装備を整えたり、経験値を稼いでレベルアップしたりする。ただしシステムは基本的にアドベンチャーゲーム用のものなので、移動できるマス目は限られており、無理やりRPGを実現しているっぽい感じがした。それでもなんだかんだで素朴に楽しめた。

    アリスソフトはエロゲーメーカーとしては女性スタッフが多めで、一方的な性の対象としてもてあそばれるような女性は作中に出てこないと聞いたことがあったのだけど、主人公ランスは相棒の女奴隷シィルをお手軽な性のはけ口として扱っていてウケた。でもなんだかんだで人として扱っているし(?)、シィルのほうも主人公にヒドいことをされると文句を言うような仲だった。

    「襲う」という選択肢が大体どの場面でも選べる。ガチムチのバーテンと話しているときや、なんと王様と会話しているときにも選べるのだけど、使い時を間違えても即ゲームオーバーになるようなひどいことにはならず、大体冗談で受け流してくれる。自分が遊んでみた時は一回だけ「襲う」でゲームオーバーになったけれど、その時は直前にちゃんと警告が入った。武器屋や道具屋なんかにいる女の子たちも襲えない。それぞれのキャラ的にいい感じに受け流してくれるのがどれも良かった。なんだかんだで序盤はろくに女の子を襲えないのだけど、中盤以降徐々に襲える女の子が出てくる。

    いまさらながらに気づいたけど、この作品には主人公ランスのことを好きになり自ら体を捧げてくる女の子は基本的にいない。唯一例外と言えるのは闘技場のチャンピオンの女だけど、こいつは強い男に身を捧げたいだけであり、事を致したあとはクールに切り替えてくるのであまり好かれている感じがしない。どの女の子も自分の意志を多かれ少なかれ持っており、会話していて楽しい感じがする。会話だけでなく地の文もすっとぼけた感じでおもしろい。

    ゲームを進めていくにはアドベンチャーゲームの鉄則として選択肢を総当たりしていくのが基本なのだけど、同じ選択肢を複数回選ばなければならなかったり、特定のフラグが立ってから(条件を満たしてから)選ばなければならない選択肢があったりするので、詰まると手探りで地道な作業をする必要が出てくる。

    自分は途中でついに話が全然進まなくなり、ネットで調べて攻略サイトの世話になった。自分が詰まった個所は、ある部屋に入ってから何もせずにすぐ出ないと展開が進まないところだった。これはちょっと自力では気づくのが難しいと思う。ちょうど全体の半分ぐらいまできたところだった。どうしても詰まったらヒントをもらうことも出来るみたいなので一応なんとかなるのかもしれないけれど、さすがにこれはどうかと思った。でもこういう仕掛けがないと本当に総当たりで選択肢を選ぶだけで進んじゃうからしょうがないのかもしれない。

    一度攻略サイトの世話になるともうそこからは書いてあるとおりにやるだけになってしまった。ストーリーはまあまあ良かったと思う。最後までやってよかったと思った。

    主人公ランスは魔法も使えるのだけど、同時に一種類しか使えない。なんと女奴隷シィルとの情交の前戯からフィニッシュまでの行動の組み合わせによって使える魔法が決まる。自分は最初よく分からず回復魔法が使えるものと思い込んでいたが、途中で全然魔法が使えなくなって混乱した。説明書かなにかには書いてあるのだろうか。

    サブタイトルの「光をもとめて」は単に失踪したヒカリを捜しているだけのことで、たぶんドラゴンクエストシリーズあたりをパロったのだと思う。

    戦闘で結構あっさり死んでゲームオーバーになる。ちゃんと主人公を育てる必要がある。それでも乱数次第で簡単にやられることもあるので、こまめにセーブしておいたほうがよい。ちゃんとお金をためて装備を揃えよう。

    レトロゲーが好きな人だけでなく、ゲーム的なものが好きな人なら誰でもそれなりに楽しめるいい作品だと思う。自分はひさしぶりにちょっとワクワクしながら進めた。最近のゲームは複雑化しすぎて面白さを見失っているとこがあると思う。

    この作品はWindowsなら下のサイトの最後のほうにある「移植456(アリスの館4・5・6版)」をダウンロードするとプレイできる。

    [参考]
    https://alicefree.fastlast.org/

    (最終更新日: 2020年6月12日 by ひっちぃ)

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