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  • BR5 mk2 日本版

    ROSE, 伊藤屋国際

    傑作(30点)
    2019年11月10日
    ひっちぃ

    中国のオーディオブランドROSEが作った5つのバランスドアーマチュアドライバを搭載したイヤホンを、伊藤屋国際が日本向けにチューニングさせたもの。物量志向の中国ブランドの中で5ドライバと控えめながら完成度の高さで一部のマニアから受けたモデルがもとになっている。

    自分が二年前にDZX-1+8という計9つのドライバを搭載した中国ブランドNICEHCKのイヤホンをアリババで購入したときに、気になって中国ブランドの他のイヤホンについての評判を調べてみたところ、高いモデルを買わせようというステマっぽい声の中にこいつを高く評価する声がちらほらあったので気になっていた。正直DZX-1+8がそんなでもなかったので中国ブランドはしばらくいいかなと思っていたのだけど、二万円台ならもう一つぐらい試してみてもいいかなと思いつつ結局買わなかった。

    その間、評判を聞きつけたのか伊藤屋国際という日本の商社(?)が中国ブランドROSEの日本での代理店となったらしく、フジヤエービックが主催するヘッドホン祭りでROSEブランドの製品を出品するようになったので試聴しようと思っていたのだけど、ブースの前を通ったときはいつも椅子が埋まっていたので通り過ぎていた。2019年秋に行ったときにようやく人が少なくなっていたので試聴できた。

    というわけで5分でポップスとロックの2曲を手持ちのONKYO Granbeatで試聴した程度なのだけど、確かに雑味がなくてすっきりした完成度の高い音で割と良かった。これなら買ってもいいかなと思った。手持ちのイヤホンがなければ。

    いま価格を調べたら三万円ぐらい。以前見たときはアリババだと250ドルぐらいだった気がする。ちょっと割高にはなっているけれど、アリババから買うと届くのに10日以上掛かるし、何かあったときの対応が大変なので、まあこのぐらいなら別にいいかなというところ。

    ただ、ヘッドホン祭りで伊藤屋国際の人が話しかけてきたのだけど、日本向けのモデルは日本独特のチューニングをしているとのことで、音が全然違うというのをやたらと強調していた。どう違うのか聞いてみたけれどこれというのは言えないみたいで、日本人にモニタリングして好みを反映したらしい。へえーなるほどーと話を聞いていたのだけど、正直ちょっと営業が露骨すぎないかと思った。代理店がそれほどボッてるわけじゃないんだし、もっと余裕をもって構えたほうがいいんじゃないかと思った。アリババとかアマゾンとかから直接買う人が多いんだろうか。

    三万円で買えるイヤホンの中ではなかなかいいと思う。SHUREの535やWestoneのUMPro30は三万じゃ買えないし。音も勝るとも劣らないと思う。ドライバ数が正義というわけじゃないけれど、BR5 mk2は2+2+1の3wayで中高域はそれぞれ二連装BAが丁寧に音を出している。これはWestoneで言えば上位モデルのUMPro50と同じ構成だ。ただ、SHUREやWestoneの定番モデルは大手ブランドの開発力により洗練されているので、長く聴いていると地味に優れた点が色々と見えてくると思う。ちょっと試聴したぐらいではBR5 mk2のアラや真価はよくわからなかった。

    装着感は悪くなかった。少なくともSHUREやWestoneと比べて大きく劣ることはなかった。遮音性については会場の騒音程度ならそこまで気にならなかった。電車や地下鉄レベルだとよくわからないけれど、カナル型でベント穴もないはずなので普通に大丈夫だと思う。

    当時流行っていたCampfire AudioのAndromedaというきれいな高音を出すイヤホンに対抗すると公言していたのでそのあたりがネットでいじられていたが、さすがにAndromedaほどではなかった。Andromedaも自分は試聴しかしていないのだけど、SHURE KSE1500ほどではないものの聞いてすぐに爽快な音が耳に届いてきてさすが人気あるだけあるなと思った。

    ちなみに中国製のイヤホンと言えば高いモデルは中身がアメリカ製のドライバなのだけど、コストダウンのためなのか中国製のドライバが一部使われることがありマニアが神経をとがらせている。最近になってアメリカのガレージメーカーであるCampfire Audioが中国製のドライバを使いだしたことが明らかになりネットが荒れていた。BellsingというドライバのメーカーがアメリカのKnowlesというメーカーのコピーを作っていて訴えられているらしい。コピーだけあってさすがに音が少し雑だったのだけど、最近になってだんだん差が埋まるどころか部分的には本家より優れた製品を出すようになってしまった。特に高域の澄んだ音は本家にはない独特の質感があると思う。Campfire Audioはハイブリッド機のフラッグシップSolarisにこれを採用しているらしい。

    話が横道にそれたけれど、パッと聞いてよい音がするイヤホンを三万程度で買いたいのであればこのモデルが一番いいと思う。ただし中高域のきれいさがウリなので重低音に期待すべきではない。あと、こいつが出たあとにmagaosi k5という同じ5ドライバのモデルがさらに安くてネットで評判が良かったので(自分は未試聴)、こっちも検討したほうがいいかもしれない。

    [参考]
    https://www.itohya.jp/product/
    rose/
    br5mk2.html

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