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    SHANLING

    傑作(30点)
    2018年12月30日
    ひっちぃ

    中国のオーディオ会社SHANLING(シャンリン)が開発した超小型デジタルオーディオプレイヤー。縦横わずか4.0cm×4.5cmに厚さ1.35cmというとても小さなボディに1.54インチのタッチパネルモニタがついており、曲を選んで再生するといった基本的な機能のほかにBluetoothレシーバーとしてスマホなどから無線で音楽信号を飛ばして再生させたりすることができる。

    最近自分はShureのKSE1200というイヤホン+専用ポータブルアンプのセットを愛用しているのだけど、専用ポータブルアンプが思ったよりかさばってしまうため、その分デジタルオーディオプレイヤーのほうを小さいやつにしたらいいんじゃないかと思って調べていたら、本体のサイズが圧倒的に小さいこいつを見つけたので、思ったより安かったこともあって試聴もせずに買ってみた。ヨドバシの通販で一万五千円ぐらいだったと思う。

    まずは音について言うと、普通にいい音だと思う。バランス出力はないものの、一般的な3.5mmのヘッドホンジャックから出る音はパイオニアのXDP-30Rよりもいいと思う。まあXDP-30Rはバランス出力がウリなのでアンバランスはそんなに重視していないのかもしれないけれど、値段や本体サイズを考えればとても意外な結果だった。

    ただし、音のチューニングがとても軽い。パイオニアのXDP-30Rも軽快なチューニングと言われているけれど、あくまで傾向として軽いという程度だったのに対して、このM0は本当にポップコーンみたいな音が出る。少なくとも自分はこいつを使って一定グレード以上のフラットなイヤホンで音楽を聴き続ける気が起きなかった。最初イコライザの設定でこうなっているのかと思ったけれど、設定を見てみたらこれでもオフになっていた。

    この音について考えられるのは、そもそも価格的にそんなに高くないイヤホンと組み合わせることを想定しているんじゃないかということ。せいぜい二千円ぐらいのイヤホンで聴いたときに、高域が伸びて気持ちよく聴けるようにしているんじゃないだろうか。にしても音質自体はいいのでちょっと謎ではある。いいと言っても中低域にパワーだとか音の芯みたいなものがあまり感じられないので、中高域の繊細さに限った話なのだけど。

    操作性はいまいちだった。タッチパネルが小さいので、「戻る」という操作をフリックで出来るようになっていて、画面に余計なボタンがなくてスッキリしているところまではいいのだけど、スクロールの加速度が速すぎて選曲しにくいのがこれまた謎。スクロールの加速度は設定で変更できるのかなと思って見てみたけれどそんな設定はなかった。

    ボリュームはノブになっているけれど、側面から浅く出っ張っているだけなので回しにくい。また、このノブは電源スイッチも兼ねていて、押し込むことで電源のオンオフが出来るようになっているけれど、押すときにノブが回ってしまわないか気になる。

    バッテリーの持ちがとてもいい。公称で15時間もつらしい(使い方によるとあるので重い形式の音楽ファイルだとか能率の悪いイヤホンで再生すると持たないのだろう)。独自OSなので起動が早く、普段は電源をオフ(正確にはディープスタンバイ)に出来るため、放置していてもバッテリーがほとんど減らない(公称で30日間もつとあり多分間違ってないと思う)。

    ストレージは別売りのmicroSDカードを挿入する必要がある。512GBまで対応しているとのこと。あんまり容量が多くても選曲が面倒そう。

    デザインはかなりいいと思う。曲面が美しく、自分はカラーリングに赤を選んだのだけど、メタリックレッドが鮮やかで高級感がある。iPhoneとかにはわずかに及ばないもののこれだけで所有欲を満たせると思う。こいつの小さいボディにぴったり装着できる小さなレザーケースが付属していてかわいい(本来は別売りらしいけれど日本国内ではおそらくセットで売られている)。

    Bluetoothは送信も受信もできるので、Bluetoothヘッドホンを鳴らすことも出来るし、スマホなどから再生させることも出来る。コーデックはaacやaptXのほかにソニーのLDACにも送受信で対応している。ただ、自分は外で使っていないので電波状況によって接続がどうなるかは確かめていない。自分にとってはLDAC対応のソニーのヘッドホンMDR-1000XをLDACでつないで聴いてみたかったというのもM0の購入動機の一つだったのだけど、正直音の違いはよく分からなかった。

    自分は予備にfinal E3000を普段持ち歩くカバンに入れているのだけど、このM0も一緒に入れておこうかと思っている。

    Bidirectional USB audioとあるので、いわゆるUSBオーディオデバイスとしてPCなどから音を出したり、逆に他のUSBオーディオデバイスを操作して再生させたりすることが出来るんだと思う。でも、わざわざこいつで試してみたいと思わなかったのでやっていない。CHORD Mojoなんかをつなげてみたかったけれど、M0のUSBがType-Cなのでコードがないのだった。でもUSBがType-Cであること自体は今後のことを考えるとポイント高いと思う。

    操作性や音のチューニングを割り切ることが出来れば、これほどまでに高い携行性とコストパフォーマンスを誇る製品はないと思う。ただ逆に言えば、音のバランスや操作性を妥協できない人は手を出さないほうがいいと思う。操作性だけならBluetoothレシーバーとして使えばスマホ側で操作できるので無視できるけれど、音のバランスは好みに合わないとどうしようもない。

    [参考]
    http://www.itohya.jp/product/
    shanling/
    m0.html

    (最終更新日: 2019年1月14日 by ひっちぃ)

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