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    大原ロロン (KADOKAWA MFCキューンシリーズ)

    まあまあ(10点)
    2018年2月3日
    ひっちぃ

    堅物な高校生タカオミは両親を亡くしており、7歳の妹アミとともに年の離れた異母兄ヒロフミのもとに引き取られ、大きな屋敷で三人で暮らしていた。屋敷には既に執事(?)のアキラがいたが、女手が必要ということで(?)メイド喫茶好きのヒロフミの趣味で住み込みのメイドを雇うことになり、やってきたのはタカオミの同級生サラだった。4コマ日常系マンガ。

    和服を着た無表情な女の子が自分の指で口角を上げて笑顔を作っている4巻表紙にやられて読んだ。まあまあ面白かったけれど、その女の子は3巻以降でやっと登場するのだった。

    おっとり天然気味のクラスメイトの女の子サラが自分の家に住み込みで働くという信じられない状況に、真面目な性格のタカオミが最初は混乱するものの、なんだかんだで仲良くなっていき、そのうち惹かれ合うようになるというほのぼの恋愛ものになっている。この二人が初々しいので、ベタな設定がまったく気にならず、素直に楽しめた。

    タカオミの妹アミは利発なお子様といった感じで、若い執事のアキラのことが大好きで、さらにそれ以上にアキラのほうがアミのことを溺愛しているという年の差ラブラブカップル(?)。ただし保護者であるヒロフミの目が光っているので、アキラはあくまで屋敷のお嬢様としてアミのことを扱っている。

    ヒロフミは屋敷に住んでいるけれど一応サラリーマンで、週末はメイド喫茶を巡り歩いている。そんなだからサラをメイドとして召し抱えたのだけど、サラのことはそれほど執着しておらず、若い二人を見守っている。あるときサラの同級生で喫茶店の家の子リノに目をつけられ、若くて美形でやり手の喫茶店経営者と思われて尊敬されるが、サラつながりでリノが屋敷にやってきたときは面倒なことになりそうだと紙袋をかぶって変装する。リノからメイド好きの変態と思われたヒロフミだったが、二人の間には悪くない関係が出来上がっていく。

    和服の女の子は3巻から出てくるタカオミの友達滝蔵の家で働いている家政婦小春で、二人は幼馴染なのだけど血筋が違うからと小春は滝蔵に対して恋愛感情を持たないよう無表情にしている。逆に滝蔵は親に逆らって将来は小春と結婚するつもりでおり、無邪気に小春に求愛しつづけている。

    どのカップルも見ていてほほえましい。自分はこのなかでは妹アミと執事アキラの年の差カップル(?)が一番好き。執事アキラの度を越えた溺愛ぶりがたびたびオチに使われるのはあんまり面白くないのだけど、アキラが本気でアミのことが好きなんだということがすごく伝わってきて幸せな気持ちになる。アミはまだ恋愛感情とかよく分かっていない年なのだけど、幼いなりに自分の気持ちをしっかり持っている。この二人に限らず、登場人物の気持ちの描写が丁寧で、心をつかまれる。

    ただ、ストーリーは割と雑でいい加減な感じ。そもそも高校生の女の子が両親いるのに親元を離れて住み込みでバイトするなんて絶対ありえない。紙袋をかぶったヒロフミのことをリノが気づかないのもおかしいし。そういうものだと割り切って読めば気にならないけれど、ここがもうダメという人もいるかも。

    十分面白いけれど、繰り返し読みたくなるほどまではいかなかった。たとえばタカオミが冗談の通じない真面目なキャラだけど裁縫が得意だったり、アキラは元々庭師で植物の手入れが得意だけど料理が絶望的にヘタだったりといった、登場人物の魅力に大きく影響する部分の見せ方が甘いような気がする。

    妹アミが7歳の割に意外と頭がいいところが一番よかった。この手の安易な4コママンガだと無邪気な子供としてよくオチに使われそうなところだけど、逆にリアルに大人びた一面を見せるところがかわいい

    設定上の大前提となる女子高生クラスメイトの住み込みメイドさえ受け入れられれば、多くの人が楽しめる手堅い作品だと思う。

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