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    DITA Audio

    まあまあ(10点)
    2018年1月2日
    ひっちぃ

    シンガポールのDITA Audioというガレージメーカーが作ったイヤホン。アルミニウムを削り出した美しいボディに、ダイナミック型ドライバを一基搭載したシンプルな造りで、高級イヤホンの中では素直な音を出すのが特徴。

    ビックカメラ新宿西口店でこいつの展示品が22,800円(税別)で売られていたのを最初に見つけたときには「へえ」としか思わなかったのだけど、同社のDreamというハイエンドイヤホンが注目されたり、ケーブルだけ違うモデルが十万ぐらいするというのを知ったりしてから気になってしまい、もう一度行ったときにまだ売れ残っていたので買ってしまった。


    展示品の上に付属品が一切なくイヤーピースすらない状態だったので、せめてポイントが10%つくならと思って店員に訊いてみたら「付く」と言ったので、ポイントでイヤーピースを買うと言ってレジで会計をしようとしたところ、レジの店員からポイントは1%しかつかないと言われたので、じゃあ買うのをやめると言ったところ「少々お待ちください」と審議に入り(笑)、ちょっと長い時間待たされて結局ポイントを10%つけてくれることになった。レジに一緒にイヤーピースを持っていったのが良かったのだと思う。イヤーピースは利幅が大きそうだし。でもその後、フジヤのアウトレットなんかで一応新品が三万円ぐらいで売られていたので、高級感漂う箱や各種イヤーピースがついた新品を買った方が良かったんじゃないかと少し後悔した。ちなみに定価は七万円台で、さすがにこの値段ではあまり売れなかったのかだいぶ値引きして売り切ったようで、いまはあまり市場にない。

    前置きが長くなったので音について書くと、ダイナミック型一基のフルレンジだけあってまとまりと量感のある音がする。同じフルレンジでもバランスドアーマチュア型一基のSHURE SE315と比べると中低域が豊かなので、外で聴いても騒音に負けない。そのうえ、安いダイナミック型と違って高域がしっかり出ていて、バランスドアーマチュア型ドライバを複数組み合わせなくてもダイナミック型一基だけで全域にわたってフラットに音が出ている。

    ただ、やけにシンバルや高域のストリングスが耳につく。シャーンシャーンという響きが過剰に感じられる。これは単なる憶測だけど、ボディのアルミニウムが共振しちゃっているんだと思う。同じアルミのボディでCampfire AudioのAndromedaなんかはこのアルミの共振を独特のキラキラした高域に活かしていると思うのだけど、このAnswerに関しては響きが邪魔に感じた。

    こういうシンプルな造りのイヤホンほど、強力なアンプを使えばすごくいい音で鳴ってくれるのかと思って、MojoやX7 mk2 + AM5なんかで鳴らしてみたのだけど、特に化けることなく普通にアンプの力の分だけよく鳴るだけだった。逆にスマホで聴くと、ちゃんと相応に鳴ってくれるのだけど、良い音という感じはあまりしなかった。ただ、録音状態の悪い音源との相性がいいように思った。音がほどよくなじむ感じがする。

    ケーブルを換えることはできない。The Fat Cableという名前のやけにブヨブヨしたケーブルがボディに直付けされている。このケーブル、いわゆるSHURE掛けという耳の上部に引っかける掛け方をしようとすると、私の耳では片方だけどうしても耳の上から外れてしまう。ケーブルに針金が入っていない上に弾力がありすぎる。まあその代わり、ボディが非常にコンパクトで耳にきっちり収めることが出来るので、SHURE掛けしなくても一応普通のイヤホンのようにも装着できる。

    イヤーピースは最初SpinFitを使ったのだけど、SpinFitだと耳まで距離が出来てしまうのか、ダイナミック型の魅力である音の量感が少し失われてしまうように思った。そこでいまはSpiralDotを使用している。製品に付属しているイヤーピースは入手できていないので評価できない。

    同じダイナミック型だとちょっと上の価格帯にSennheiserのIE800があるのだけど、それと比べるとこのAnswerは確実に劣っていると断言できる。IE800はマルチBA(バランスドアーマチュア)の高級機と戦えるほど綺麗な高域が出る上に、ヘッドホンに近い広い音場を持った名機であり、Answerが勝てる要素は見つからない。ただ、そのせいか次世代IE800Sは大幅に値上げされてしまったため、Answerは五万以下の価格帯ならまあまあだと言えると思う。自分ならせいぜい三万ぐらいなら買ってもいいかなと思う。ただ、五万以下の価格帯だと3BAのWestoneのUM-PRO30がいいと思う。まあ好みになってしまうけれど。

    バランスドアーマチュア型の音をどうしても好きになれない人が、ヘッドホンではなくイヤホンが欲しい、それも新品(アウトレット可)を五万円以下で、というのであればたぶんこの機種が最有力候補になると思う。でも市場から無くなりかけているし、新製品もそのうち出るらしいので、いま買うべきものかというと微妙だと思う。

    [参考]
    http://
    www.aiuto-jp.co.jp/products/
    product_1573.php

    (最終更新日: 2018年1月3日 by ひっちぃ)

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