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    KZ (Knowledge Zenith)

    まあまあ(10点)
    2017年10月30日
    ひっちぃ

    中国の音響機器メーカーKZ製のハイブリッド型イヤホン。製造業が飛躍的に発展しつづけている中国で、競争の激しい低価格帯のイヤホンの中でもっとも人気があると言われていたZSTというモデルを出しているKZによる、それよりグレードがちょっと上のモデル。ダイナミック型ドライバ2個とバランスドアーマチュア型ドライバ2個も積んでいて五千円以下と格安なのが特徴。


    中国の巨大通販サイトAliExpressでNiceHCKのDZX-1+8というちょっと高いイヤホンを買ったのはいいのだけど、製造と配送にとても時間が掛かるので間を持たせるためと、登録した住所に届かなかったら困るから試しに安いやつを買ってみようと思い、色々見ていたらちょうどこの製品が話題に上がっていたので買ってみた。ちょっといい別売ケーブルも一緒に買ったので三千二百円ちょっとだった。別売ケーブルは四百円ぐらいだった。いま見たら日本のアマゾンだとケーブルなしで4,500円だった。配送に十日ぐらい掛かるのが嫌でなければ中国から直接買った方が安い。ちなみに買うなら11.11と呼ばれるセールが行われる11月11日ぐらいが一年で一番安いらしい。

    いまから思うとこの製品の話題性の多くはCampfire Audioというアメリカのメーカーの製品をそっくりパクったような外見をしていたことからだった。同社の特にAndromedaという製品は、日本では14万と高額ながら長く品薄状態が続いていたほど大人気だったので、それに乗っかろうとしたのだろう。Andromedaが緑色なのに対してこのZS5は青色なのだけど、本家から最近青色のPolarisというモデルが出たので、それも逆にマニアの間で話題になった。

    音は完全にドンシャリ(低音と高音を重視した音)だった。存在感のあるやや硬質な重低音が聴覚の半分以上を占め、その上にバランスドアーマチュアドライバからと思われる中高音が乗っかっている感じがした。高いイヤホンに慣れた自分にはあまり聞き続けたいと思うような音ではなかったけれど、このくらいの値段の国産イヤホンを買ってもおそらくもっとボケたような音しか出さないかと思うと驚異的だと思う。

    安いドライバを使っているのか音はあまり繊細ではなく、4つもドライバを積めばいいってもんじゃないと思うのだけど、スマートフォンや安いデジタルオーディオプレイヤーにつなげるんだったらいくら精密なドライバを積んでいても精密に鳴らせるわけではないのでこれでいいと思う。ShureのSE315のほうがいいドライバを積んでいるけれど、スマホだったらちょっと物足りなく感じると思う。…と思って念のためiPhoneで聞き比べてみたらやっぱりSE315のほうが良かった。外出時だったら中低域が厚い方がいいから逆転するかもしれないけど。

    寝ホンつまり寝るときなんかに雑に使うことも考えていたのだけど、別に寝るときも音楽聴きたいとはいまのところそれほど思っていないし、耳にも悪そうなのでやっていない。

    普段スマートフォンで音楽を聴いている人は大抵iPhone付属のイヤホンなんかを使っていることが多くて、そういう人がちょっといい音で聴きたいと思ったときに、いきなり一万円以上の製品を買うわけはないので、この価格帯は入門用に重要だと思う。でもiPhone 7からヘッドホンジャックがなくなっちゃったんだよなあ。変換アダプタついてくるけど。

    いまは次期モデルとしてZS6というのが出ているのだけど、ボディが金属製になって音の感じも変わったらしい。TwitterやまとめサイトなんかではZS6の評価が高いけれど、リツイートしたら抽選で何々をプレゼントとか工作っぽいことをやっているのであまり参考にしないほうがいいかもしれない。ちょっと値段も上がっているし。

    一番有名な傑作機ZSTもあとで買ってみたけれど、割と特徴のない普通の音だった。1DD+1BAとドライバ数が半分になっていて、その分だけ安くなっていて二千円弱だった。ドンシャリがそれほど好きじゃない人にはこっちのほうがいいと思う。セール時だともっと安くなるので、布教用に何個か買って同僚にあげてみたい気もする。他にも色々あるので興味があったら見てみるといい。

    (最終更新日: 2018年1月1日 by ひっちぃ)

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