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    高橋和希 (集英社 ジャンプコミックス)

    いまいち(-10点)
    2011年8月3日
    ひっちぃ

    テレビゲームではない玩具のゲームが好きな気の弱い高校生の少年武藤遊戯は、祖父からもらった古代エジプトの「千年パズル」という謎のパズルを解いて以来、勝負師の人格が覚醒して苦境のたびに人格が入れ替わって打破するようになる。エンターテイメント企業の野望や「千年パズル」を巡る因縁に巻き込まれていく。コナミの稼ぎ頭になるほど大ヒットしたカードゲームの原作少年マンガ。

    以前トレーディングカードゲームにハマったときにチェックして全38巻中15巻まで買って読んだもののつまらなくなって放置していたが、そのままにしておくのもなんなのでもう一度読み返してみたら12巻で読むのを断念した。

    カードゲーム編があまり面白くないのは初読のときも変わらなかった。この作品は作中にカードを出したときに読者からの反応が良かったらしいのだけど、私みたいにカードゲームのゲームシステムが気になってしょうがない人間からしたら、あとづけのように勝ち負けが決まるストーリーは馬鹿馬鹿しくてしょうがなかった。「時の魔術師」の知られざる効果なんてそんなもん知るか!みたいな。妙なルールが後出しジャンケンのように次から次へと出てきてうんざりする。あと、俺様のカード最強wwwみたいなのとか。でも、中途半端にカードゲームに則っているから不満に思うんであって、普通にバトル物として主人公たちが苦境に陥ってそれを意外な手で打ち破るという筋書きは少年マンガとして王道で面白いんだとは思う。たぶん。

    カード以外のゲームが初読のときはわりと面白く思ったのだけど、TRPGとかガンシューティングとか他にもいま読んだら大して面白くなかった。全体的に子供だましな感じがする。甲斐谷忍「ライアーゲーム」みたいなちゃんと考えられたゲームで戦う作品を読んでしまったからだろうか。そもそもこの作品は少年マンガで対象年齢層からしたらゲームの仕組みよりも努力と友情みたいなもののほうが重要だしそのほうが楽しめるんだろうから、私が読み方を誤ったと考えたほうが正しいのかもしれない。

    でもそっちのほうも今回改めて読み返してみて薄っぺらいなあと思った。主人公の武藤遊戯は別人格で戦っているので、元々の人格は地味にしか成長していない。成長っていうか最初から芯に強いものを持っているって感じか。ヒロインが別人格の方に惚れちゃうという設定が悲しいけれど、だからといってどうにかするつもりもないみたい。友達は意外なことに二人とも元不良という設定になっていて、過去に振り回されるエピソードもあって掘り下げられているけれど、なんかまだキャラが弱い感じがする。結局メインは戦いにあるって感じ。

    絵がたまにびっくりするほどヘタというか安易すぎるところがあると思う。80年代っぽいセンスを基本としながらも主人公まわりはそつない感じなのだけど、敵役が独特のタッチと思い切りのよすぎるデフォルメで粗すぎる。特にペガサスの髪型がひどいw あとペガサスはキャラもひどいよなあ。少年マンガに出てくるアメリカ人ってみんなあんな感じに描かないとダメなんだろうかw 遊戯ボーイってw

    もうたとえ誰かが全巻貸してくれるとしても断るだろうというぐらいもう続きを読みたくなくなったので読むのをやめた。もっと早く割り切っていれば時間を無駄にせずに済んだのにと思う。

    でも、このテレビゲーム全盛の中で、テレビゲーム以外のゲームを取り上げているところには少なからず魅力を感じたし、熱い友情と戦いのドラマに入っていけさえすれば楽しめたと思う。子供の頃にこの作品に出会っていれば…。

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