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  • ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル シングルプレイモード

    スクウェア・エニックス

    いまいち(-10点)
    2008年9月12日
    ひっちぃ

    4つの種族が暮らす独特のファンタジー世界で、瘴気という毒を含んだ大気のせいで人々はクリスタルの力を借りて小さな集落ごとに分かれて暮らしていた。人々はキャラバンを組み、毎年毎年クリスタルの力を発揮するのに必要なミルラのしずくを集めた。主人公はそんなキャラバンを率いて旅をするうち、なぜ世の中がそうなってしまったのかを疑問に思い、世界を救うために剣を振るい魔法を唱えて戦う。アクションRPG。

    任天堂と決別したスクウェアが、ソニーへの配慮をしつつ任天堂のゲームキューブ向けに開発したタイトル。スクウェアの大人気シリーズであるファイナルファンタジーシリーズの外伝的な作品。

    本作品の一番の特徴は4人までの複数人で遊ぶマルチプレイモードにあるのだが、私には一緒に遊ぶ人がいないので一人でシングルプレイモードで遊んだ。友達の家でワイワイやるのが正しい楽しみ方なんだろうなあ。

    なぜ題にクロニクル(年代記)とついているのかというと、ミルラのしずくを三つ集めると一年が経過するからだ。そのあいだにランダムにイベントが発生して、時の経過というものを感じさせてくれる。一年が経過するときに年の一回のイベントである村の祭りが行われ、その年に起きたイベントで書いた日記が読まれる。思い出を演出している。このときのアニメーションと音楽が素晴らしい。

    ゲームの内容はダンジョン攻略型のアクションRPGだ。全体マップみたいなものがあって、馬車のコマを移動させてダンジョンの上に持ってくると入ることが出来るようになっている。ダンジョンにはさまざまなバリエーションがあり、グラフィックが美しく、仕掛けもそれなりに凝っている。ダンジョン以外にも町や村や城なんかもあってそこで買い物が出来たり人々から情報を得たりできる。

    主人公の主な攻撃手段は剣や槍などを振るうこと。ボタンをタイミングよく三回連続で押すなどすると連続攻撃になったりするが、それ以外には特にバリエーションはない。結構シンプルだ。魔法はボタンを長押ししてから離すと発動する。攻撃魔法のほかに回復や弱体や蘇生なんかができる。

    武器や防具は、まずレシピを入手(拾うか買うかイベントで入手か)し、材料を集め(同)、職人に金を払って作ってもらうことで手に入る。装備部位は四つほどしかないのでシンプル。

    批判に入る。

    アクションゲームとしての質が低い。どうしてもこの分野の雄であるゼルダの伝説シリーズと比べてしまう。

    敵から連続でダメージを受けてしまうとあっというまに命を落とす。文章で書くと当たり前のことを言っているように聞こえるが、これを実際に体験すると唖然とする。ゼルダの場合、敵から一度攻撃を受けると主人公の体が点滅して一定時間無敵になりそのあいだはダメージを受けない。

    自分が攻撃中にダメージを食らうと攻撃がキャンセルされてしまうが、逆に敵の攻撃中に相手にダメージを与えても敵の攻撃はそのまま行われる(特殊な武器を使うと敵の攻撃を止めることができるらしいが)。このような非対称性にいちいちストレスがたまりプレイの興が損なわれる。基本的な部分がまったく作り込まれていない。

    同じダンジョンを二回三回あるいは目当てのアイテムが出るまで攻略することを強要される。アクションゲーム的な要素の完成度が低いだけに余計苦痛である。

    イベントの質が低い。この作品で一番大きなイベントは王女の救出(?)なのだが、シナリオ的にまったく面白くないのに加え、お使い的なことをしなければならず苦痛でしかない。次に大きなイベントは多分瘴気で絶滅した村での老夫婦のロマンスだが、全く感傷に流された意味不明のものになっている。唯一マシなのは瘴気の中で生きる方法を探す学者のエピソードだが、最後に謎を残して唐突に終わり歯切れが悪い。そういえば黒騎士のイベントも大きいが、最後の戦いへの伏線となっているほかは意味不明の感傷ベースだ。残りのイベントは、世界観を大事にしすぎて量産されたあまりに小粒で粗悪なものばかりだった。詐欺師のシリーズだけちょっと面白かったが。

    持てるアイテムの数が少なすぎる。種族によって使えるアイテムと使えないアイテムがあり、武器や防具には説明書きがあるのだが、材料の段階ではわからないためとにかく持っている必要がある。そのうちカバンがいっぱいになってくる。ダンジョン攻略中に何度もこまごました回復アイテムを捨てる羽目になる。これがゲームのスムーズな進行を妨げる。

    ポリゴンで構築されているデフォルメな世界はとても美しい。ちょっとこじんまりしすぎてはいるが民俗音楽のテイストにあふれる完成度の高い音楽が心地よい。ダンジョンの仕掛けもそれなりに考えられている。しかしアクションゲームとしての基本的な部分と、根本的なゲームシステムに欠陥があるため、プレイしていてイライラが募る。中身のシナリオが粗悪なので攻略を進める気も萎える。

    私は最後のボスまで行ったが結局ボスを倒せなかった。攻略サイトを読んで挑戦したにも関わらずダメだった。ひどいときは妙なレーザーを二回連続で食らっていきなりゲームオーバーになったりした。もう一度アイテムを買い込んで挑戦しようかとも思ったが、馬鹿馬鹿しくなって放り出すことにした。こんなゲームにこれから2時間ぐらい掛けても時間の無駄だと思ったからである。

    この作品は所々に光るところはあるものの結局のところタチの悪い凡作だと思う。

    [参考]
    http://ja.wikipedia.org/wiki/
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    コメント

    DSのやつと似てるかも 芋愚
    DSのやつも、ボスや終盤のダンジョンがきつかった。

    詳細

    manuke.com