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    株式会社マーベラスインタラクティブ

    まあまあ(10点)
    2008年5月31日
    ひっちぃ

    牧場を経営するほのぼの系ゲームシリーズの第10作目を女の子向けにしたものらしい。牛や鶏なんかを飼って牛乳や卵を出荷したり、トマトやスイカなどを栽培して出荷したり、村で恋人と出会って結婚して子育てをしたりする。

    ニンテンドーゲームキューブのソフトが市場から消えつつあったときに安売りされていたソフトをまとめ買いしたときに一緒にこのソフトを買った。牧場物語といえばコマーシャルまで打つほどのわりとメジャーな作品だし、こういう牧場を経営するというシミュレーションゲームでかつほのぼのしていそうなところに興味を引かれたので、いつか遊んでみたいと思っていた。

    私が買ったこのソフトが女の子向けだということに気づいたのは、最初に主人公の名前を決めるときである。不覚だった。女の子向けだから売れ残って安く売られていたのかも。でも任天堂の「どうぶつの森」シリーズは女子供に人気があるらしいので、このソフトもそれなりに売れたと思う。Wikipediaによると五万本は売れている(出荷数?)。

    最初、主人公の女の子が、憂いの表情を浮かべて僻村の牧場にやってくる。都会に疲れたのと、父親が死んだのとらしい。牧場には、亡き父親の友人のタカクラさんがいた。父親はタカクラさんと牧場をやる予定だったらしい。なぜ牧場なのか。その答えを知るために主人公の女の子はタカクラさんに助けてもらいながら牧場を経営することになる。

    完成度の高い二頭身キャラと3DCGでプロローグが語られる。基本がしっかりしているので安心して入っていけた。

    このゲームに明確な目的はないと思う。ただ牧場を経営するだけ。でもストーリーはある。村を歩いているとミニイベントがいくつも発生する。

    最初の一年目は、どうやって牧場を経営するのかを学びつつ、なんといきなり結婚相手を見つけることになる。

    村を巡り歩くと何人か若い男がいるので、こいつらの中から誰か選ばなければいけない。うーん。特にいいなと思った男はいないなあ。しょうがないので芸術家っぽいマッチョと仲良くなることにする。ところが攻略サイトを見てみると、どうやらこのマッチョとは結婚できないことが分かる。結婚できるのはたった三人、

    ・怪しいスナフキン崩れのミュージシャン
    ・根暗という設定らしいリーゼント
    ・宿屋の軟派なドラ息子

    おいおいおいおい。早くも究極の選択が突きつけられる。結局、何も考えずにプレイしていたら、宿屋の軟派などら息子とのイベントが多く発生したので、こいつと結婚することになった。

    二年目は子供が生まれる。二年目っていってもナレーションで「数年後」と出るので間があいている。子供は六歳ぐらい。話しかけると「かーたん、だっこして!」とせがんでくる。だっこしてやる。なんだか不思議な気分になる。

    三年目は少年に育っている。よく分からないがスポーツに興味を持っている。与えるおもちゃとかで性格が変わるのかも。

    牧場のほうは最初乳牛が一頭いる。こいつから一日に二回牛乳が取れる。ちゃんと世話していると、ノーマルミルクAを一回に二ビンか三ビン分とれる。タカクラさんに出荷してもらうとそこそこのお金になる。こいつがゲーム序盤の主な収入源だ。

    しかしこの乳牛はいつまでも牛乳を作ってくれるわけではない。子供が生まれてから一年間しか乳を出さないのだ。それにこの牛は一日にかいばを二つ食べる。かいばは畜舎から無限に取り出せるのだと最初思っていたが、牧草を育てて刈り取ってサイロにためておかなければならないことに気づく。牧草は牧草地に生えているのだが、肥料をやらないと育ってくれない。一度肥料をやった土地からは永遠に牧草がとれる。刈っても刈っても取れる。だが肥料も金が掛かる。

    牛に子供を産ませることもできる。大人のメス牛とオス牛がいればタダでたねつけできる。オス牛はドンと金を払えば町の牛をたねつけ用に借りられるが高い。牛は慣れないとハイリスクハイリターンのようだ。私は最初かいばのことを知らなかったので、かいばが切れて牛が飢えて品質の悪いミルクしかとれなくなった。

    牛と比べるとにわとりは初心者向けか。雌鳥さえいればたまごを産んでくれる。たまごは安いけど一日一回大体産んでくれるので安定した収入源だ。でもエサ代は掛かる。雄鶏と一緒に飼えば有精卵ができて、そいつを孵化させて増やすこともできる。ただし最大八羽までしか飼えない。だから増えてきたら出荷する(笑)。はっきりとは出てこないが肉になるんだろうなあ。タカクラさんが夕焼けの中をしみじみと市に連れて行くところがちょっとウケる。

    栽培のほうは季節にあったタネを買ってきて植える。色んな作物が作れる。普通の作物は毎日一回から二回水をやると10日以内に大体収穫できる。言い忘れたが一年は春夏秋冬の四つの季節があり、一つの季節につき10日ある。作物は収穫すると枯れて終わりだが、果物は一度育つと水をやらなくていいし収穫の季節ごとに実をつける。

    ほかに飼い犬がいて芸を仕込めたり、釣りをして魚をとったり、野菜や果物や魚を使って料理ができたり、遺跡発掘などのミニゲームで金を稼いだりできる。

    作物を育てるのは手間が掛かるわりに儲からない。特に水やりが面倒くさい。ジョウロを持って一マス一マスボタンを押さなければならない。これを一日一回、タネを植えたマスすべてやる必要がある。最初は面白かったが段々苦痛になってきた。たとえばタネが一つ40Gで、8日間ぐらい水やりして育てて、やっと収穫した作物が80Gぐらいでしか売れない。きびしい。ノーマルミルクAが一ビン170Gなのと比べると割に合わない。せめてジョウロでガーッと水やりできればなあ。

    作物はどうやら品種を掛け合わせて改良できるようになるらしい。そのためには二年目以降に登場するツルタンという植物の化け物と仲良くなる必要があるらしいのだが、私はこいつと一年間付き合ったにもかかわらずさっぱり仲良くなれなかったので結局品種改良できなかった。品種改良したらがっぽり儲かったのかも。

    村人たちは個性があっていいのだけど、会話内容がワンパターンだ。時がたつにつれて内容が変わったり、主人公の行動にあわせてしゃべってくれたりするのだが、毎度同じ言葉ばかり聞くとウンザリしてくる。調理したものをバザーで売っていたら、料理うまいね、と言ってくれたりするのには驚いた。しかしそれぐらいだろうか。

    時がたつと村人にも変化が現れる。新しい人が引っ越してきたり、老人が死んじゃったりする。なにげにすごい。この作品は副題がワンダフルライフだけあって人生を見せようというのか。私は三年目の頭までしか遊んでいないので分からないが、なんと三十年分遊べるそうだ。主人公の女の子がママになるだけでなく、白髪がまじって何かするとすぐ疲れるようになるらしい。ゲームなのにこの力の入れようはすごい。

    結構ヒマなゲームというか、単純作業で数十時間もプレイする気になれなくなったので、私はもうやめることにした。でも、この手のゲームが好きな人には十分やりごたえがあると思う。画面上の作物が育っていくことを喜べるのであれば。

    私が聞いた話によると、女性というのはとても現実的な考え方をするので、電子上のデータがどうなろうと大した興味は持たないものだと思っていた。しかしこういうゲームを女の子向けで市場に出そうという企画が通ったということは、女性も人それぞれなのかもしれない。最近は腐女子という言葉でオタクの女性をターゲットとしたものが増えている。

    意外とセンスを感じさせる箇所がある。主人公の女の子に鏡を見させることができるのだが、そのときつぶやく独り言がどれも味があっていい。寝不足気味です、とか目が充血している、という普通の情報通知以外に、あたしもまだまだいける!とか魔法の国に通じていたらなあとかシワが増えてきたとか言う。三頭身キャラのデザインが素晴らしく、万人ウケする絶妙なバランスの上にできている。

    気の長いまったりしたゲームをしたい人にだけ勧める。それ以外の人にはあまり面白く感じることはできないだろう。

    これからこのゲームで遊ぼうという人に私からアドバイス。

    ・最初の牛は大切に育てよう。確実な収入源だ。
    ・牧草は早いうちから少量でいいから育てよう。かいばは最初100個あるがそのうちなくなる。
    ・作物を育てるのは割に合わないが、調理の技術を磨くために最低限必要なので、最初からできるレシピで使うものを重点的に育てよう。
    ・調理の技術が上がると魚からサシミができて高く売れるので釣りをしよう。
    ・作物を育てるのが面倒になったら果物にすると手間が少なくていい。

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