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    谷川流 (角川スニーカー文庫)

    まあまあ(10点)
    2007年3月2日
    ひっちぃ

    ツンデレブームの最前線を行くSF学園ものシリーズの第二巻。現実を無意識に自分の都合のいいように変えてしまうヒロイン・涼宮ハルヒが、文化祭で映画を撮ると言い出し、周りを振り回す騒動を描いている。

    私は既に本シリーズの評を書いており、今回は再読しての感想を書く。

    本作の目玉は、か弱い美少女キャラ・朝比奈みくるがいじめられてボロボロになるところだということにやっと気づいた。最初読んだときはなんとも微妙な話だなと思っていたのだけど、キャラ萌え的な楽しみ方をする作品と考えれば、こちらも結構完成度が高いんじゃないかと思い直した。まあほんとそれだけなのだけど。

    文化祭の映画を撮るためという理由で、恥ずかしいウェイトレスやバニーガールの格好で街中を歩き回り、公衆の面前で撮影を敢行し、ハルヒに強引に痛めつけられたり、池に落とされたり、無理やりラブシーンを撮らせられたりと、かなり徹底的にやっている。

    改めて思ったのは、私自身はこの朝比奈みくるというキャラに対してほとんど関心がないということだった。多分好きな人は本作をかなり好きだと思うのだけど、間口が狭いんじゃないかなと思う。そうそう、古泉もしゃべりまくっているので、数少ないであろう古泉ファンも満足かも。

    あとテーマとして、誰が何を考えているのか分からない、周りで何が起きているのか分からない、という点にも焦点を当てている。ちょっと弱いけど、娯楽性(嗜虐性?)をメインにした本作にこういう要素も入れているところは幅があっていいなと思った。こういう色んな考えさせられる要素があるところも本シリーズ大人気の理由かもしれない。

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