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    エドワード・ズウィック監督

    まあまあ(10点)
    2006年12月17日
    ひっちぃ

    明治維新間もない日本へ、軍隊に戦い方を教える教官としてやってきた主人公ネイサン・オールグレンが、政府にたてつき侍の道を守ろうとする勝元に緒戦の錬度不足で捕まり、彼の村で一冬の捕らわれ生活を送るうちに、侍の心に共感し彼らと運命を共にしようとするようになっていく話。

    ハリウッド映画なのだが、渡辺謙を始めとした日本人俳優が多数出演している。これまでのあっちの映画で描かれていたような偏見に満ちた日本像が払拭されているとの評判だった。

    そこで実際に見てみたところ、なるほど確かに明らかな勘違いはそんなにないものの、結局のところ構図的にはインディアンと同列に置いているように思う。侍の心というのが、インディアンの心になってもあまり変わらないんじゃないだろうか。

    で、その侍の心ってのがよく分からなかった。帯刀することが侍の心らしい。ちょっとこだわりすぎ?みたいな。そういうことを考えてしまうと根底から空虚に思えてしまう。クライマックスの戦闘が終わったときのウソっぽさはこの作品を台無しとは言わないものの大いにしらけさせたと思う。

    一方、主人公が最初の戦いで訓練不足の兵を率いて戦わざるをえないときのマスコンバットの描写が臨場感があって非常に良かった。訓練不足の兵士がひるんでまだ敵が遠いうちに射撃しちゃって、そのあと突っ込んでくる勝元軍に敗走するところは、逆に日本海海戦で東郷平八郎が敵に十分近づくまで砲撃をこらえた場面を思い出した。戦いの趨勢を決めるのは装備だけでなく士気や錬度が必要なのだとか、戦いの機知みたいなものを疑似体験させてくれた。

    ガトリング砲が出てくる。司馬遼太郎によれば、機関砲は日露戦争までに秋山好古の部隊しか持っていなかったとあったので、ガトリング砲が出てくるのはウソになるんじゃないだろうかと思ったら、戊辰戦争で佐賀藩が使っていたらしい(Wikipediaより)。

    物語を楽しもうとさえ思わなければそれなりによく出来た映画だと思うが、物語を楽しみたい私にはいまいち楽しめなかった。

    (最終更新日: 2006年12月31日 by ひっちぃ)

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