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    原作:滝本竜彦 漫画:大岩ケンヂ

    傑作(30点)
    2006年10月18日
    ひっちぃ

    主人公・佐藤達広は大学を中退してアパートにひきこもって二年になる。ある日出会った謎の美少女・岬ちゃんに見栄を張っているうちに、彼女からひきこもり脱出プログラムを持ちかけられるが、それは自分をひきこもらせるための日本ひきこもり協会(略してNHK)の陰謀なのではないかと妄想をめぐらせる。

    この作品を一言で説明するのは難しい。多分三巻までが第一部で、アパートでの仲間との楽しい生活が描かれる。四巻から第二部で、一転して深刻で暗い話になる。私は原作の小説を読んでいないので、原作がどのようになっているのか知らない。

    本作の魅力はというと、アニメやゲームなどのオタク文化を面白く紹介しているところと、近所に住む謎の美少女・岬ちゃんと文芸部の頃のたった一人の女の先輩などの女キャラとのかかわりだと思う。主要登場人物がなにかしら精神的に深刻な問題を抱えていて、問題があまり解決しない形で描かれている。

    思い返してみて改めて思うのだが、本作で主人公たちの悩みは描かれるものの、うわべだけしか描かれていないので内面が見えてこない。主人公はひきこもりといってもよく喋ってるし、岬ちゃんの不登校は現実感がないし、先輩の欝は解決するかにみえて何がうまくいってないかよくわからない。そんな状態で四巻から急に深刻な話になっていくので、正直置いていかれた感がある。

    私はこの作品を面白いと思うのだが、じゃあ何が面白いのかというと、筋書きが面白いのだと思う。次に何が起きるのかという期待感だ。本作は言ってみればドタバタ喜劇(格好よく言うとスラップスティック)なのではないだろうか。登場人物の心理描写に感動するような話ではないのだ。社会派の描写もあるのだが、そちらのほうもいまいちうまくいっていないように思う。

    絵が私の好みに近い。特に女の先輩、事務服姿。

    面白ければそれでいいという人には勧める。私は次の巻を楽しみにしている。

    一言注文をつけるなら、あんまり不用意に話をややこしくしないほうがいいと思う。心理描写も社会派も本気でやる気がないならサラッと流すぐらいが良いのではないだろうか。本気でやるのだったら、心理描写は出来事と結びついているものだけでなく自分の中から沸き起こるものを描写したほうがいいと思う。

    コメント

    5巻からつまらなくなる ひっちぃ
    4巻から話が暗くなるところまでは書いたが、5巻からどんどん話が悪い意味で混沌としてきて訳が分からなくなる。私は6巻を手にしたときは展開に収拾がついていると期待していたのだが裏切られた。正直今後もし出ても7巻以降を買う気が起きなくなるほどガッカリした。
    ...
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