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    ハドソン

    まあまあ(10点)
    2004年11月22日
    ひっちぃ

    ハドソンが開発中のMMORPG(大規模オンラインRPG)の公開βテスト版。以前から開発していたレゾナンスエイジから発展したもの。3Dで作られた世界で数千人のプレイヤーが同時に参加し、剣と魔法の世界で冒険をするゲーム。

    この手のゲームの始祖はウルティマオンラインで、その影響を強く受けている。スキル制になっており、仮想世界を生きるための数十のスキルの中からプレイヤーは好きなスキルを選び、自分のキャラクターを好みの形に成長させる。すべてのスキルを上げることはできず、上限が決まっているため、万能のキャラクターを作ることは出来ない。どのスキルを組み合わせるかによって強弱や相性があり、戦闘に必要なスキルから、道具を作ったりお金儲けしたりするスキル、フィールドを自在に動くためのスキルなど、さまざまなスキルがある。

    世界観も凝っており、広大な世界のいくつもの勢力があり、好きな勢力に組して戦っていくことも出来るほか、どの勢力にもつかずに自由きままに生きることも出来る。平原や山脈地帯、洞窟や迷宮には怪物が住んでおり、倒すとお金やアイテムが手に入るので、より強い装備を手に入れてキャラクターを育てることが出来る。

    とにかくスキルがたくさんある。水泳のスキルを上げると、水中を効率よく長く進むことが出来る。調理のスキルを上げると、動物を狩って手に入れた肉や店などで売っている食材を調理して食料を作ることが出来る。魔法だけで六種類のスキルがあり、系統に応じてさまざまな魔法を使いこなすことが出来るようになる。武器も種類に応じて数種類、戦闘技術、自然回復、調教、着こなしなど、おおよそ仮想世界でキャラクターがすることのできる動作すべてにスキルが設定されている。

    とにかくやれることが多いのは純粋に楽しい。2ちゃんねるでは、落下耐性というスキルを上げるための専用のスレが立ち、いかに上げるか、上げるとどこから飛び降りられるようになるとかで盛り上がっている。

    一定以上のスキルを決まった組み合わせで揃えると、複合シップといって組み合わせに応じた称号がつき、特殊な能力が身についたりする。

    さてこの終わり無きゲームを楽しめるかどうかだが、面白い仕掛けやゲームを進める動機や仮想世界の魅力があるかどうかに掛かっている。実のところ、私は今のところFFXIほどにはハマることが出来ていない。その理由はなんだろうか。

    私がFFXIを遊んでいたとき、何がハマるきっかけになったのかというと、やることがたくさんあったからである。まず、遠くの町にいきたかった。そのために自分のキャラクターを育てて、敵をなぎたおして進めるようにしていった。Master of Epic(以下MoE)では、主要な町同士はテレポートで移動できてしまう。これはこれでいいがなんとなく味気ない。

    次にFFXIの場合は闇の王を倒すという目的があったが、MoEにはそんな目的は用意されていない。いまのところ、ギルドに所属して階級を上げていくという目的はあるが、基本的にはおつかいをする程度なので単調でつまらない。

    達成による報酬が貧弱だ。FFXIの場合は、船に乗りたい、チョコボに乗りたい、飛空艇に乗りたい、とあったが、MoEにはそういうものは用意されていない。熟練したキャラクターへのご褒美は、かっこいい装備をすることや、強力なペットをひきつれること、強い魔法を唱えることなどがある。スキルと結びついているので、育て方によって色々な張り合いがある。それはいいのだが、多岐にわたるのでみんなマイペースにやるだけだ。その割に、スキル制なのでみんな魔法を使えたりと個性に掛ける。個性を伸ばそうとすると、ほかのことが出来なくなるからだ。

    ちょっと遊んでネタにするにはいいゲームかもしれないが、数ヶ月や数年とじっくり腰をすえて遊ぶほどのものを感じることが出来ない。フィールドはそれなりに魅力的だが、FFXIで感じたほどの魅力からは遠い。

    ゲームの仕組みだけではなく、プレイヤー側の問題もある。MMORPGは、好きなときに好きな場所で好きなことが出来るのが特徴なのだが、その場所にいて楽しんでいるように見える人が見あたらないように思える。

    私はウルティマオンラインをあんまり楽しめなかったので、MoEのようなゲームとは相性が悪いのだと思う。ウルティマオンラインが出来てからもう十年近くたち、ウルティマオンラインは今も発展を続けているが、MoEもまたウルティマオンライン系のゲームの発展系の一つとして一つの形を示したと思う。

    まだβ中なので言及は控えようと思ったが、ラグが大きく同期がつらい。敵が遠くにいったかとおもうと、忘れたころに襲い掛かってきたりする。なんというか、一言で言えば、世界が安定していない。安定するとまた印象が違ってくると思う。

    にしてもウルティマオンラインは偉大だ。普通に歩いている世界に家を建てることが出来たり、捨てたアイテムがその場に置かれて拾うことも出来たりと、MMORPGの魅力をかなり押さえていたことが改めて分かる。MoEにはMoEのいいところがあるが、MoEをやっていると逆にウルティマオンラインの良さが分かってくるからつらい。

    いずれにしてもMMORPGは最初が難しいので、気軽に楽しむのは厳しい。MMORPGに慣れているつもりだった私も、最初にこの世界に降り立ったときには重くのしかかった。じっくり腰をすえて最初は目をつぶってとりあえず数時間遊んでみて欲しい。

    最近は色々なMMORPGが出来ており、ファンタジーだけでなく、スターウォーズ、日本の戦国時代を扱った信長の野望Online、大航海時代Online、果てはヤンキーものまである。ファンタジーでも大物MMOのEverQuestの続編が最近欧米でサービスを開始し、日本への上陸が待たれている。ライバルは多い。

    [参考]
    http://moepic.com/

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