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    遠藤ミチロウ

    最高(50点)
    2002年9月28日
    芋愚

     日本の伝説的パンクバンド「スターリン」のボーカリストだった遠藤ミチロウのソロアルバム。2枚組。
     ミチロウの決して上手とは言えないアコースティックギターの調べに、魂を振り絞るようなソウルフルな唄が乗る。時には激しく、時には切なく、やさしく。
     詩は、かなり終末的な雰囲気だ。イヤなことがあって、ベロベロに酔っ払ったときなどに頭の中に浮かんでくるような言葉や世界をガリガリと書き殴ったような詩だ。
    「チンチン」「オマンコ」「電動コケシ」、
    「ユーゴスラビア ユートピア 悪魔の描いたユートピア」
    そんなドキっとする言葉が平然と書かれている。
    まあ、スターリンのときは、「共産主義宣言」を吐き捨てるように叫んだ挙句にクソミソにけなすような言葉を叫んでいた。そういうところはミチロウの味だろう。
     最近のアングラっぽいミュージシャンは、難解な詩を書いて、グシャグシャのディストーションでノイジーな演奏にのせて、サブカル好きな若者が歓迎するような難解な音楽を作る。しかし、ミチロウの音楽は分かりやすい。「魂」だ。アコギとパーカッションだけのシンプルなセットで、魂を振り絞る。詩に曲が負けていないし、曲が詩に負けていないし、唄も演奏も全てが一体感をもって、「魂」っていうか「うわごと」というか、そういう深いものをガッツリと伝えてくる。意味がありそうで意味がないものを、勿体つけて聴かせようとする傲慢さがない。
     まあ、色々言っても仕方がない。
    熱くて魂のある音楽を味わいたい人に、ぜひともオススメする。

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