無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 失意の魔術師編
漫画: 米田和佐, 原作: 理不尽な孫の手, キャラクター原案: シロタカ (フロンティアワークス コミックオルタ)
傑作(30点)
2025年11月11日
ルーデウス少年は長い旅路の末に結ばれたと思ったエリスに置き手紙で別れを告げられ、失意の中で行方不明の母の捜索を続けるために北方諸国をめぐる。大人気異世界転生ファンタジーの単行本7巻書きおろし部分+αのコミカライズ版。
本編はフジカワユカという人がコミカライズをやっているけれど、ちょうどここは収録されてなかったっぽい。自分は原作小説が既読だったんだけど、まさかこの部分が単行本書下ろしだったとは思っていなかった。主人公ルーデウスの師匠ロキシーのスピンオフがつまらなかったので期待せず読んでみた。
乗合馬車の中でこれ見よがしにいじけているルーデウス少年を見て、同じぐらいの年頃の少女サラが腹を立てて絡んでくる。その縁でルーデウスは冒険者パーティ「カウンターアロー」と一緒に行動するようになり、やさぐれた心が次第に癒されていくことを自覚するが、少女サラだけはあいかわらず突っかかってくるのであった。
短い話なのでストーリーを紹介してしまうと興を削いでしまうからごく簡単にまとめると、まあこれは一つのボーイミーツガールってことだと思う。うーん、自分はこの言葉大嫌いなんだけどw
ともかくこの二人の心の機微が丁寧に描かれていてとてもよかった。
このコミカライズ版は全3巻なんだけど、原作部分は2巻までで終わっているらしい。自分が読んだ感触だと3巻の最初ぐらいまでは原作っぽく感じた。その後、少女サラの物語がサラッと描かれ(計らずもダジャレw)、彼女の新たな旅立ちのシーンまではすごくよかったと思う。
続いてなぜかゾルダートの物語が描かれる。
原作小説を読んだとき、ルーデウス少年たちに難癖をつけてくる強豪パーティのリーダーだったゾルダートの描写がちょっと不自然に思えてならなかったんだけど、その答え合わせというか、なぜ彼があのあとあんな態度を取ったのかがわかるようになっている。仲間に慕われる理由とか。
この作品のオリジナル部分も原作者の「理不尽な孫の手」先生がプロットを書いたらしい。でもさすがにゾルダートの少年時代の物語がそこそこの尺で少年マンガ風にじっくりと語られるのはちょっと違うなあと思った。ひょっとしてこいつのこと好きな読者が多かったからだろうか。仲間がこいつの面倒見の良さをいじっている描写が特にキツかった。
絵はとてもよかった。普通こういうスピンオフ作品ってちょっと落ちる作家さんが手がけるものだと思うんだけど、本編に勝るとも劣らず作品に没入できた。特にこのエピソードはごく普通の冒険者パーティを描いているので、本編の壮大な物語からすると脇役もいいところの平凡なキャラが味わい深く魅力的に描かれているように思った。
まあそういうわけで原作ファンならとても楽しめると思うので、ぜひ読んでみてほしい。
本編はフジカワユカという人がコミカライズをやっているけれど、ちょうどここは収録されてなかったっぽい。自分は原作小説が既読だったんだけど、まさかこの部分が単行本書下ろしだったとは思っていなかった。主人公ルーデウスの師匠ロキシーのスピンオフがつまらなかったので期待せず読んでみた。
乗合馬車の中でこれ見よがしにいじけているルーデウス少年を見て、同じぐらいの年頃の少女サラが腹を立てて絡んでくる。その縁でルーデウスは冒険者パーティ「カウンターアロー」と一緒に行動するようになり、やさぐれた心が次第に癒されていくことを自覚するが、少女サラだけはあいかわらず突っかかってくるのであった。
短い話なのでストーリーを紹介してしまうと興を削いでしまうからごく簡単にまとめると、まあこれは一つのボーイミーツガールってことだと思う。うーん、自分はこの言葉大嫌いなんだけどw
ともかくこの二人の心の機微が丁寧に描かれていてとてもよかった。
このコミカライズ版は全3巻なんだけど、原作部分は2巻までで終わっているらしい。自分が読んだ感触だと3巻の最初ぐらいまでは原作っぽく感じた。その後、少女サラの物語がサラッと描かれ(計らずもダジャレw)、彼女の新たな旅立ちのシーンまではすごくよかったと思う。
続いてなぜかゾルダートの物語が描かれる。
原作小説を読んだとき、ルーデウス少年たちに難癖をつけてくる強豪パーティのリーダーだったゾルダートの描写がちょっと不自然に思えてならなかったんだけど、その答え合わせというか、なぜ彼があのあとあんな態度を取ったのかがわかるようになっている。仲間に慕われる理由とか。
この作品のオリジナル部分も原作者の「理不尽な孫の手」先生がプロットを書いたらしい。でもさすがにゾルダートの少年時代の物語がそこそこの尺で少年マンガ風にじっくりと語られるのはちょっと違うなあと思った。ひょっとしてこいつのこと好きな読者が多かったからだろうか。仲間がこいつの面倒見の良さをいじっている描写が特にキツかった。
絵はとてもよかった。普通こういうスピンオフ作品ってちょっと落ちる作家さんが手がけるものだと思うんだけど、本編に勝るとも劣らず作品に没入できた。特にこのエピソードはごく普通の冒険者パーティを描いているので、本編の壮大な物語からすると脇役もいいところの平凡なキャラが味わい深く魅力的に描かれているように思った。
まあそういうわけで原作ファンならとても楽しめると思うので、ぜひ読んでみてほしい。