コンピュータソフト
ストラテジーゲーム
Balatro
開発: LocalThunk, 販売: Playstack
傑作(30点)
2025年1月20日
普通のトランプカード一式をそのまま初期デッキとして山札にし、デッキを強化しながらポーカーをベースに役を作ってスコアを稼ぎ、ラウンドを勝ち進んでいくインディゲーム。
本作品はインディゲームつまり個人を基本として小規模開発されたゲームとして2024年に並みいる大作とともにゲームオブザイヤーにノミネートされたことで有名になった。トランプのポーカーという広く知られたルールに独自のローグライク要素を詰め込み、毎回状況が変わるなかで戦略的にデッキを組み立てながら勝利を目指すのが特徴。
ローグライクポーカーという言葉だけが取り上げられ、一体どういうゲームなのか知りたかったので、ホロライブの一条莉々華がプレイした実況配信のアーカイブを二時間ほど見て購入を決めた。
【Balatro】昼からギャンブル…!?そんな、わけ…イヤアアアアア【#一条莉々華 / hololive DEV_IS ReGLOSS】
https://www.youtube.com/
watch?v=4tXHxd8j2n8
ポーカーといえば、シャッフルしたカードをディーラーが各プレイヤーに対して5枚ずつ配り、プレイヤーはそのなかから0~5枚のカードを選んで一度だけ交換することができるので、いくつかある役の中から高い手を構成することを目指して競うのが基本となっている。
もともとポーカーフェイスつまりいかに相手に自分の手を悟られないかがカギとなっていることに由来しており、自分の作った手が相手より高いかどうかチップを掛けて勝負して獲得するのが目的であって、いくら高い手を作っても相手が負けを予想してチップをあまり掛けなければ大して奪えないし、低い手でも相手をビビらせて勝負から降りさせればそれまで掛けたチップを奪える。
Balatroの場合、ポーカーのルールの中で役を作ってスコアを獲得するところだけを使っているのでこのような駆け引きの要素はない。1ラウンドごとに獲得しなければならないスコアが設定されており、制限回数までに作った手のスコアを合計して超えたらラウンドクリアとなる。強い役ほど高いスコアが得られるようになっている。
手札の枚数が5枚よりも多くなっており、手札の中から1枚以上のカードを場に出して「ハンドをプレイ」ボタンを押すことでスコアの判定となるほか、代わりに「ディスカード」ボタンを推すことで出したカードを交換することができる。また、一ラウンドごとにそれぞれのボタンの回数が制限されている。
スコアは基本的にプレイした手に含まれる有効な役を構成する各カードのランクつまり数字の合計に特定の倍率を掛けたものとなる。たとえば9のワンペアの場合、ペアを構成する二枚のカードだけが対象となり、9+9=18とワンペアの基本点10を足して28としたものに、ワンペアの基本倍率である2を掛けて合計56がスコアとなる。ちなみに最初のラウンドでは300点以上獲得すればクリアとなる。
これだけなら純粋なポーカーに毛が生えた程度なのだけど、このBalatroのおもしろいところはスコアの算出にブーストを掛けることができること。惑星カードを入手して使用することにより、対応する役(たとえば水星カードならワンペア)のレベルが上がり、その役の基本点と基本倍率が少し増える。
持っていると様々な効果が生みだせるJOKERカードというものが全部で百数十種類あり、カード同士の組み合わせによって相乗効果を生み出せるものがあって戦略性が高い。
カードはラウンド毎にショップで購入したり、特定の条件を満たしたりすることにより入手できる。ショップにどのカードが並ぶのかはランダムとなっている。
カードを購入するのに必要なお金は、プレイごとに特定の条件を満たすことで獲得できるようになっている。このゲーム、スコアばかり追及していくとジリ貧になっていくので、最低限のスコアを獲得しつつ同時にお金を稼いでいき、どんどんデッキを強化していかなければならない。
カードの中にはデッキのカードを増やしたり強化や変化させたりできるものがある。たとえば三枚までのカードをスペードに変えたり、番号を増やしたり、スコアを増やす効果を付与したり、カード自体を破壊したりもできる。こうして特定のスートつまりマークのカードばかり増やしてフラッシュという同じスートを揃える役を作りやすくしたりできる。ただし、特定のカードや役を縛ってくるボスも出現するので、あまり戦略を特化させると潰されて終わる。
3ラウンドで1アンティとして、アンティの最終戦はボス戦となり、8アンティつまり基本24ラウンドを勝ち抜くとクリアとなる。ちなみにアンティを減らすことで結果的にラスボスまでの猶予を設けることができるカードもあるため、必ずしも24ラウンドでクリアとはならない。
長々とルールを説明するのが大変だったのでこれから批評に入るのだけど、思ったほど奥が深くないと思った。自分は30時間ちょっと遊んでもういいかなと思ってやめた。
ゲームを始める前に、初期デッキとステーク(難易度)を選ぶようになっている。デッキは数種類あってそれぞれ異なる戦略を求められる。つまり少なくとも十数種類の展開が楽しめるようになっている。自分は最初の難易度で解放される十種類のデッキを攻略した。いまネットで調べてみたらさらに六種類のデッキがあるほか、よく知らないけれどチャレンジデッキというさらに極端なゲームも楽しめるみたいだった。
まだまだ自分はこのゲームを味わいつくしていないのかもしれないけれど、結局のところ強力なエディション(つまりキラキラして強い効果)のついたJOKERを集めていく必要があり、それで大体勝率を確保できるように思った。逆に言えば、いくら高度な戦略をとることができてもエディションがついていなければ頭打ちになってしまう。
まあそれでもどのJOKERがエディション付きで現れるかわからないので、エディション付きのJOKERが出現したらそのJOKERを軸に戦略を組み立てなおすことが求められる。
…もっとプレイしたらさらなる境地にたどり着けるのかもしれない。
このゲームの一番いいところは、トランプのポーカーというおなじみのゲームがベースにあり、とっつきやすいことだと思う。そのうえでいろいろな奥深さがあって考える楽しみがある。いくらおもしろくても慣れるまでが大変なゲームはなかなかプレイする気になれないので、その点はとにかく助かる。気軽に遊べてしっかり考えて楽しみたいという人にはぜひ勧める。
本作品はインディゲームつまり個人を基本として小規模開発されたゲームとして2024年に並みいる大作とともにゲームオブザイヤーにノミネートされたことで有名になった。トランプのポーカーという広く知られたルールに独自のローグライク要素を詰め込み、毎回状況が変わるなかで戦略的にデッキを組み立てながら勝利を目指すのが特徴。
ローグライクポーカーという言葉だけが取り上げられ、一体どういうゲームなのか知りたかったので、ホロライブの一条莉々華がプレイした実況配信のアーカイブを二時間ほど見て購入を決めた。
【Balatro】昼からギャンブル…!?そんな、わけ…イヤアアアアア【#一条莉々華 / hololive DEV_IS ReGLOSS】
https://www.youtube.com/
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ポーカーといえば、シャッフルしたカードをディーラーが各プレイヤーに対して5枚ずつ配り、プレイヤーはそのなかから0~5枚のカードを選んで一度だけ交換することができるので、いくつかある役の中から高い手を構成することを目指して競うのが基本となっている。
もともとポーカーフェイスつまりいかに相手に自分の手を悟られないかがカギとなっていることに由来しており、自分の作った手が相手より高いかどうかチップを掛けて勝負して獲得するのが目的であって、いくら高い手を作っても相手が負けを予想してチップをあまり掛けなければ大して奪えないし、低い手でも相手をビビらせて勝負から降りさせればそれまで掛けたチップを奪える。
Balatroの場合、ポーカーのルールの中で役を作ってスコアを獲得するところだけを使っているのでこのような駆け引きの要素はない。1ラウンドごとに獲得しなければならないスコアが設定されており、制限回数までに作った手のスコアを合計して超えたらラウンドクリアとなる。強い役ほど高いスコアが得られるようになっている。
手札の枚数が5枚よりも多くなっており、手札の中から1枚以上のカードを場に出して「ハンドをプレイ」ボタンを押すことでスコアの判定となるほか、代わりに「ディスカード」ボタンを推すことで出したカードを交換することができる。また、一ラウンドごとにそれぞれのボタンの回数が制限されている。
スコアは基本的にプレイした手に含まれる有効な役を構成する各カードのランクつまり数字の合計に特定の倍率を掛けたものとなる。たとえば9のワンペアの場合、ペアを構成する二枚のカードだけが対象となり、9+9=18とワンペアの基本点10を足して28としたものに、ワンペアの基本倍率である2を掛けて合計56がスコアとなる。ちなみに最初のラウンドでは300点以上獲得すればクリアとなる。
これだけなら純粋なポーカーに毛が生えた程度なのだけど、このBalatroのおもしろいところはスコアの算出にブーストを掛けることができること。惑星カードを入手して使用することにより、対応する役(たとえば水星カードならワンペア)のレベルが上がり、その役の基本点と基本倍率が少し増える。
持っていると様々な効果が生みだせるJOKERカードというものが全部で百数十種類あり、カード同士の組み合わせによって相乗効果を生み出せるものがあって戦略性が高い。
カードはラウンド毎にショップで購入したり、特定の条件を満たしたりすることにより入手できる。ショップにどのカードが並ぶのかはランダムとなっている。
カードを購入するのに必要なお金は、プレイごとに特定の条件を満たすことで獲得できるようになっている。このゲーム、スコアばかり追及していくとジリ貧になっていくので、最低限のスコアを獲得しつつ同時にお金を稼いでいき、どんどんデッキを強化していかなければならない。
カードの中にはデッキのカードを増やしたり強化や変化させたりできるものがある。たとえば三枚までのカードをスペードに変えたり、番号を増やしたり、スコアを増やす効果を付与したり、カード自体を破壊したりもできる。こうして特定のスートつまりマークのカードばかり増やしてフラッシュという同じスートを揃える役を作りやすくしたりできる。ただし、特定のカードや役を縛ってくるボスも出現するので、あまり戦略を特化させると潰されて終わる。
3ラウンドで1アンティとして、アンティの最終戦はボス戦となり、8アンティつまり基本24ラウンドを勝ち抜くとクリアとなる。ちなみにアンティを減らすことで結果的にラスボスまでの猶予を設けることができるカードもあるため、必ずしも24ラウンドでクリアとはならない。
長々とルールを説明するのが大変だったのでこれから批評に入るのだけど、思ったほど奥が深くないと思った。自分は30時間ちょっと遊んでもういいかなと思ってやめた。
ゲームを始める前に、初期デッキとステーク(難易度)を選ぶようになっている。デッキは数種類あってそれぞれ異なる戦略を求められる。つまり少なくとも十数種類の展開が楽しめるようになっている。自分は最初の難易度で解放される十種類のデッキを攻略した。いまネットで調べてみたらさらに六種類のデッキがあるほか、よく知らないけれどチャレンジデッキというさらに極端なゲームも楽しめるみたいだった。
まだまだ自分はこのゲームを味わいつくしていないのかもしれないけれど、結局のところ強力なエディション(つまりキラキラして強い効果)のついたJOKERを集めていく必要があり、それで大体勝率を確保できるように思った。逆に言えば、いくら高度な戦略をとることができてもエディションがついていなければ頭打ちになってしまう。
まあそれでもどのJOKERがエディション付きで現れるかわからないので、エディション付きのJOKERが出現したらそのJOKERを軸に戦略を組み立てなおすことが求められる。
…もっとプレイしたらさらなる境地にたどり着けるのかもしれない。
このゲームの一番いいところは、トランプのポーカーというおなじみのゲームがベースにあり、とっつきやすいことだと思う。そのうえでいろいろな奥深さがあって考える楽しみがある。いくらおもしろくても慣れるまでが大変なゲームはなかなかプレイする気になれないので、その点はとにかく助かる。気軽に遊べてしっかり考えて楽しみたいという人にはぜひ勧める。