学級委員長の女の子のアバターをかぶって動画サイトYouTubeでゲーム実況などをしている「にじさんじ」所属VTuber月ノ美兎が、ラジオ番組という体で毎回ゲストを呼んで対談している企画に、ライバル事務所であるホロライブ所属VTuber宝鍾マリンを呼んで主に00年代からのネット文化について語り合った回。

自分は宝鍾マリンが大好きなので、彼女が初めて影響を受けたVTuberというこの月ノ美兎と対談するというので見てみた。とてもおもしろかった。

いきなり船が巨大なタコに襲われて二人が触手に捕らわれるという茶番から入り、なんとそのまま対談に入る。普段自分がよく見ているホロライブの配信者はあんまりこういった手間のかかることをしないので新鮮に思った。

日本最大規模のVTuber事務所「にじさんじ」でエースを張っている（？）月ノ美兎だからさぞかし魅力的な声だろうと聞いてみたら思ったより素人くさい声でびっくりした。ホロライブは社長が声を重視してスカウトしていたと言っているだけあって基本的にみんな声優のような美声の持ち主ばかりでそれが当たり前だと思っていた。でもそもそもVTuberはルッキズム（外見至上主義）のフィルターを回避して純粋に配信内容で勝負できるからこそここまで人気が出てきたのだし、トークで勝負するならこういう人が人気になるのも当然かと思った。

日本のVTuberの中でもトップクラスの知名度を誇るあの宝鍾マリンが緊張していると自分で言っているように、前半はいつもよりちょっとぎこちない感じではあったのだけど、月ノ美兎のリードによって昔のネット文化と自分についてあけっぴろげに語り合っている。二人とも過去の痛かった自分について多少の恥じらいは見せつつも堂々と話していてすごく好感が持てた。船長（マリン）は学生のころ教室で「キター」「キボンヌ」等のネット語を大声で話していたらしい。

この配信の中で自分が一番印象に残ったのはリスナーからの投稿だった。特に「教育実習生を実況者と勘違い」はドラマかというぐらい名作だと思った。こういう質の高い投稿が来るのも月ノ美兎の魅力によるところが大きいんだろうし、今回の二人だからこそリスナーからの魂の告白を聞く資格（？）があるんだろうなと思った。

月ノ美兎のエロ方面の自分語りがすごくあけすけでおもしろかった。「萌駅」というサイトにたどりついたことのほかに、エロ系の絵チャット掲示板に入り浸っていたこと、その影響で絵チャット独特のアンチエイリアスの掛かっていない線画を見ただけでエロと全然関係なくてもエロく見えてしまうと言っていて笑った。

こんだけエロとか下世話な話ばかりしているのに、自分のことを「わたくしは…」と委員長キャラ（？）を崩さないところがだんだんツボってくる。声も素人くさいとは言ったけれど独特の声色がクセになる。もうこの回の配信だけで彼女のファンになってしまった。

もちろん船長（マリン）のこともさらに好きになった。二人は自分の性癖（！）についても語り合っていて、「催眠もの」がダメな月ノ美兎に対してその良さを布教しようとする船長なのだけど、どっちも引かなくてだんだん具体的な話になってきて笑った。船長はエロいものを検索したいときはまず「〇〇責め」（伏せられていたので不明）で調べてその次に「催眠」を調べるぐらい好きらしい。エロ系で「純愛もの」には二人とも全然興味がないというのもおもしろかった。エロなら「むりやり」のほうが好きとのこと。

VTuberってサブカル系が多いかと思いきや中の人はそこまでオタクじゃなかったりあんまり表に出さなかったりしてこの二人みたいにコアで隠さない人は少ないので、興味ある人は見てみるといいと思う。