相手からの要求が強すぎて恋愛にうんざりしていた男女が、ネットゲームのオフ会で意気投合し、恋人でもセフレ（セックスフレンド）でもなく気楽に会ってセックスする関係となってすごす日常。青年マンガ。

エロマンガを読むならまずガッツリエロい作品がいいのは間違いないのだけど、たまにストーリーがすごく良くてその先にHがあって自分もこういう恋愛とセックスがしたかったなあと本気であこがれてしまう作品に出会ってモンモンとする。この作品はエロマンガを描く作者が一般誌で一風変わった男女の関係を描いたものみたいなので期待して読んだのだけど…。

在宅勤務のIT技術者の男はしばらく付き合ってきた彼女から愛情を試されるような行為を繰り返されるようになりうんざりして別れる。飲食チェーンに勤める女はちょっと変わった性格をしていてもっとありのままの自分を出したいのに付き合う男たちから普通のかわいい女を演じさせられてうんざりして別れる。

そんな男女がFPSっぽい撃ち合いのネットゲームのオフ会（オフラインミーティングつまりネット上じゃなく実際に会う集まり）で出会い、なんとなくウマがあい、二人で抜け出し、そのままホテルへ行く。

こういう話はネット上のファンタジーとしてすごくいいと思う。…でも自分は読んでいてうんざりしてしまった。

女のほうが変人すぎる。女のくせにエロ動画が好きだとか、あけっぴろげで連れションに誘ってくるとか、ちょっとだらしなくてのんびりした性格をしているのはいいのだけど口調がキモすぎたりとか。返事が「おう」とかはまだいいんだけど、「～だのぅ」「スコスコ（好き）」「ワロタ（笑った）」「～しませう」とか読んでいてしんどい。なんJ民か！？

自分は変わった女の子が好きだと思っていたのだけど、さすがに限界があることが分かった。

かわいくて胸が大きくて、エロいことが好きで自由奔放で、男に対する要求がうるさくなくて、相手に対して奉仕したいという気持ちも持っていて、変わっているけれどちゃんと仕事はしていて、と本当にネット民の理想を絵に描いたような女の子なのに…。

気を使わない関係がいいということの対比として、気を使わせられる人とのやりとりが出てくるんだけど、その人も悪気はないんじゃ、みたいに思ってしまう。逆に考えると、もしこういう女の子と付き合うときは、気を使わないように気を使ってしまいそうだ。まあこの女の子はいい女なのである程度までなら表情に出さず我慢して付き合い続けてくれるみたいなんだけど。

これは自分の思い込みかもしれないけれど、こういう作品は恋愛弱者同士の心地よい慣れ合いであるべきだと思う。じゃないと読者がシンパシーを感じづらいから。この作品では男も女も以前の関係を自分から清算している（要はフッているということ）。相手に主導権を握られていた点からすれば弱者なのかもしれないけれど、そこまで弱くはない。

それと最大のツッコミとして、もはやこの二人は付き合っているといっていいこと。ここまでやっていて付き合っていないことになっているほうがおかしい。好きです付き合ってくださいと言わないと付き合いが始まらない前提なのは現実的でない。

自分はムリだったけどハマる人はドハマりするかもしれないので試しに読んでみるといいと思う。胸やけするかもしれないけど。