ありそうで、なかった。いや、あった。NHK の生活笑百科。法律で解決しなければならないトラブルを扱った番組である。出演者のバランスもよく、娯楽として成立しているばかりか、なにより実用性があり、とてもよい番組だと思う。

まず具体的なトラブルを寸劇として見せて、視聴者に二択をせまる。どちらが悪いか、というよりは、保証してもらえるのか、慰謝料をもらえるのか、その金額は？ といった感じである。五人くらい並んだ出演者が、司会者とも掛け合いながら、それぞれ自分の意見を適当に述べていく。正解を示すのは、番組が抱える顧問弁護団。なんでも鑑定団と比べると、さすがに弁護士はいまのところタレント化していなくて、ビデオでのみの出演となっている。

爆笑問題、という選択は絶妙。芸人の中でも知的で、知的な中にも笑いを作れる。みのもんた、司会としてそんなにでしゃばらずに、ある意味ではもったいないのかもしれないが贅沢な使い方である。

クイズという形式をとってはいるが、仮に正解が「弁償しなければならない」だとしても、ではどうすれば「弁償しなくてすむ」のかという事例まで具体的に丁寧な説明をつけてくれている。視聴者の知りたいことをちゃんとフォローしている。その上、トラブルの具体例となる寸劇が面白い。

一つ言いたい点があるとすれば、親切が逆に訴えられかねないこともある、という意外なポイントを紹介するときに、もう少し配慮をすべきではないか。確かに意外で、我々みなが知っておかなければならないことなのだが、ではどうすればうまく相手に親切して訴えられずにすむかという点をもう少し説明すべきではないか。

最近は私の好きな「ここがヘンだよ日本人(TBS)」がいまいちな感じなので、こうして一つ、見たくなる番組が出たことをうれしく思う。法律情報エンターテイメント

ザ・ジャッジ！
毎週金曜日　夜７：57〜8：54　ONAIR