評 review の RSS
評 review の静的版 とその ziptar.gz
表 top
評 reviews
称 about us
・ 全カテゴリ
  ・ ハードウェア
    ・ 携帯電話・スマートフォン

dtab 01

Huawei, NTTドコモ

まあまあ(10点)
2015年5月17日
ひっちぃ

中国の精密機器メーカーHuaweiが開発してドコモが売っていた低価格の10インチAndroidタブレット。Google Playに対応しており普通のAndroidタブレットとして使えるほか、ドコモが提供している各種サービスを手軽に利用できる。

通常価格は25,725円らしいのだけど、ドコモの携帯電話とSPモードおよびdビデオを実質8ヶ月契約していると9,975円で買うことが出来るキャンペーンをやっていた。秋葉原で売られている怪しい中国製の低価格タブレットと違って、一応ドコモがプロデュースしていてこの値段ならと、遊びで買ってみた。携帯電話網による通信機能は持っておらず、Wifi(無線LAN)で家庭のネットワークや携帯のテザリングを介して使う。

包装を解こうとした段階でいきなり萎えた。箱を開けると本体が透明なビニールに入っていたので(ちょうど折り紙みたいな包装で)、粘着テープをはがして取り出そうとしたら、粘着テープの部分が液晶について糊のようなものが液晶画面にくっついた。あわてて拭き取ったのだけど、布で相当ゴシゴシと拭かないと取れなかった。中国メーカーの製品だからしょうがないのかもしれないけれど、ドコモが噛んでいてこの低品質な包装はありえないと思った。

造りはわりとしっかりしていて、低コストなりにチープではあったけれど、グラグラしたり強度に不安がある部分はなかった。白い樹脂が最低限の品質を保証してくれている感じがする。

画質が悪い。10インチで1280×800というのは一昔前のノートパソコンと同程度なので十分だと思っていたのだけど、iPadのRetina Displayに慣れると荒く見えてしょうがなかった。そりゃ値段が倍以上違うのだから当然なのだけど、一度慣れてしまうと戻れないんだなあと思った。一応試しに何度か電子書籍を読んでみたけれど、画質が荒くてイライラした。解像度的に見開きを諦めて縦に持って1ページずつ読んでみたけれど、画面が大きいのでドットの荒さが気になった。モアレも見られたので色の再現性も低いと思う。

CPUはクワッドコア(4コア)で1.2GHzとそこそこいい感じなのだけど、4コアはともかくシングルスレッド性能が1.2GHzなのはちょっとパワー不足に感じた。普通、解像度が低いとその分CPUのパワーをあまり使わなくて済むものなのだけど、動作はもっさりしている。クワッドコアにする意味あったんだろうか。動画再生のため?

スピーカーはよくできていると思う。音質はどうか知らないけれど、しっかり音が鳴ってくれる。

バッテリーが結構長持ちする。6000mAhと最近のタブレットと比べて遜色ない容量を持つ上に、性能が低い分消費が少ないのかそんなに喰わない感じ。この点は地味ながら素晴らしいと思う。普通だったら真っ先にコストカットしそうな部分なのに。

似たような製品としてamazonのkindle fireがある。低コストタブレットを配ってコンテンツで儲けるビジネスモデルという点で共通している。

かつてドコモはiモードという優れたコンテンツ仲介ビジネスを生み出し、いまのAppleのiTunesやGoogle Playがやっているようなことを何年も前にやっていたのだけど、それと比べると今のドコモのやりかたはおとなしい。数千万の契約を抱えるスケールメリットを活かすだけのことしかしていないように思う。本業が安定して儲かっちゃっているので、思い切ったことをやる気がなさそうな感じ(海外への投資は大胆にやって失敗し続けているのだけど)。

ただ最近になって、色んな出版社の雑誌が毎月500円で読めるdマガジンを始めたので、ひょっとしたら長年日本に根付かなかった総合的な電子書籍サービスを打ち出してくるかもしれない。ドコモは土管つまり通信事業者に専念しろという声がネットではよく聞かれるし、自分もそう思うのだけど、日本の出版業界のしがらみをなくして低コストで便利なサービスを提供してくれるんだったらそのほうがいいと思う。

いまドコモはこのdtabの二代目を売っている。今度のはLTEで通信できるので通信契約が必須で、二台目として割安で契約してもらうようにしたらしい。Wifi専用じゃなくしたのはデータ通信基本料を取るためなんだろうか。最初の二年間は料金割引があるけれど、それを過ぎると毎月三千円近く取られるはず。まあ解約すればいいだけの話なのだけど。サイズが7インチと小型になっているのは、この初代dtabの10インチが大きすぎたからなのか、それともコストを下げるためなのか。もちろん年月が経っているので基本性能はアップしているのだけど、今回は買う気になれなかった。数万上乗せしてiPad Air 2にした。

タブレットPCを一つも持っていない人には、試しに使ってみるのにいいのでこういう廉価な製品を勧められる。でも、タブレットPCがどんなものか分かっていて目的がはっきりしている人には、十分満足できる一台があれば一番なので、少々高くてもいいものを選んだ方がいいと思う。あ、それか、トイレに置いておくのにちょうどいいかもしれない。

コメントする 画像をアップする 戻る

Copyright © manuke.com 2002-2018 All rights reserved.