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鬼物語

西尾維新 (講談社 講談社BOX)

まあまあ(10点)
2011年10月19日
ひっちぃ

数百年も生きてきた吸血鬼・忍野忍と運命共同体となっている青年・阿良々木暦の前に、謎のくらやみが現れた。それは四百年前に吸血鬼の前に現れたものと同じだった。このくらやみの正体とは?物語シリーズの第11弾ぐらい。

うーん。ストーリーがつまらん。

要所は二つある。怪異の王である吸血鬼の中でもさらに強大な力を持っていた忍野忍のかつての姿、全盛期のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが、阿良々木暦の前に初めて作った眷属、いわゆる彼女にとっての初めての男について語られるのだけど、これが期待外れも甚だしかった。彼女自身の語りにしちゃったのがダメだったのかも。ヘタに陳腐な話になるよりはまだ良かったのかもしれないけれど、それならヘンに期待させないで欲しかった。

もう一つは迷い牛の怪異で巨大なリュックサックを背負った女子小学生・八九寺真宵のエピソード。前に八九寺の巻がなんだかんだで忍に乗っ取られたのとは逆に、今回は忍の巻なのに八九寺の話になっているという。序盤からやけに阿良々木暦に対してキツいことばかり言うのが楽しい。最後は王道的な展開に。

ゲストとして斧乃木ちゃんという使い魔的な存在のちょっと痛い幼女が出てくる。暴走気味の阿良々木暦との掛け合いがいい感じ。結局この巻も作中の表現を借りるならば「幼女と童女と少女」とのフリートーク(じゃないんだけどそう言った方がしっくりくるw)を楽しむ内容だった。

くらやみの正体については、SFが好きな人だったら楽しめるかも。興が削がれるので説明しない。

たぶんシリーズ中一番つまらない巻だと思う。あと一冊しかない予定みたいだし。まあでもひさびさに阿良々木暦が一人称やって愉快なロリコン暴走が読めるなど、面白いところは面白かったので、ファンならそれなりに楽しめる。

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