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突撃!! ファミコンウォーズ

任天堂, Kuju Entertainment

まあまあ(10点)
2009年11月21日
ひっちぃ

大々的なテレビコマーシャルにより、正統派ターン制現代戦シミュレーションゲームとして日本でもっとも有名な(?)ファミコンウォーズが、リアルタイムストラテジーゲームとして帰ってきた。

っていうかこれはもはや別のゲームだった。面影があるのは兵器のデフォルメ具合だろうか。グラフィックスが親しみを持てて良かった。

プレイヤーは部隊を率いて戦う。でもさすがに一度に全部のユニット(兵器)を操作することは出来ないので、メインとして操作するユニットを決めてそれだけをコントローラのスティックで操作し、残りのユニットは待機が追尾を選んで自動的に動いてくれるに任せることになる。

ユニットには最も基本的な歩兵、戦車とも戦えるバズーカ兵、ヘリを落とせるミサイル兵、対人戦に強い火炎放射兵、物陰に隠れた敵を倒せるグレネード兵、フルオートなマシンガン兵と歩兵だけでも色々あって使いこなしが要求される。歩兵系しか占領という作業ができず打たれ弱いので守ってやる必要もある。地上兵器としては高速な装甲車、対人戦に優れた軽戦車、歩兵や装甲車両に強い戦車や重戦車、遠く離れた敵を倒せる自走砲、最強兵器のグレートタンク、飛行機に強い対空戦車なんかがある。空の兵器としては攻撃ヘリ、戦闘機、爆撃機、万能なギガファイター。これらはステージが進むたびに少しずつ出てくるので使い方もつど覚えていけばいい。

ゲームは複数のステージに分かれている。一つのステージは十分から二十分もあればクリアできるようになっている。ステージの最終目的と中間目標がマップ上に星マークで示され、登場人物の将軍たちがあれしろこれしろとしゃべってくれる。敵を倒す、捕まっている味方を解放する、キャプチャーポイントを占領する、特定の目標を破壊する、なんかをしながらステージを攻略していく。ステージはワールドマップ上に転々と描かれていき、悪の勢力を追い詰めていくようになっている。

さてこのゲームのどんなところが面白いのかというと、敵の弱点を突く兵器を使い分けて進軍していくところだろうか。ちゃんと兵器の相性が分かっていれば、気持ちいいほど敵を蹴散らしてくれる。目的を一つ一つ達成していくと戦況が変わっていくのが演出されている。歩兵と戦車と飛行機の操作感がそれぞれ違っていて楽しい。

それはいいのだけど、敵の弱点を突く兵器を使い分けるのが本当に面倒くさい。逆に言えば敵に弱点を突かれるとすぐに自軍がボロボロになる。戦車で気持ちよく快進撃していると敵のバズーカ兵にボコボコにされたり、後ろをついてきた歩兵たちが全滅したりする。そうしないようにするには、全体マップで敵の配置を確認しながら、どの部隊を進軍させるか選択して突撃することになる。この部隊の選択が面倒くさい。突撃して敵を倒したと思ったら次の敵が来てあわてて残りの部隊を呼んでくる。自分が操作するユニットも頻繁に切り替えながら敵と戦わなければならない。自分が操作することでユニットの性能が最大限に生かされるのだから操作しないわけにはいかない。このわずらわしさが爽快感を損ねていると思う。

結局、頭を使う戦略ゲームとアクションゲームを両立させるのは難しいという結論になってしまうのだろうか。もうちょっと操作を簡略化できればよかったように思う。どうせ部隊を二つに分けるなんて大した意味がないのだから、部隊やユニットを一つ一つ操作できるようにせず、たとえばフォーメーションを切り替えて対人対装甲対空と使い分けるのはどうだろうか。しかし操作性の問題を解決したとしても、こういうバランスのゲームにやりがいを感じて楽しめる人というのは限られてくるように思えてならない。

コードの完成度は高いと思う。複雑な操作をあまり苦にせず遊ぶ自信があれば、やってみるのもいいと思う。戦場を上から見下ろすのではなく、兵士の視点でリアルタイムにガンガン戦うことができる戦略ゲームとして、なかなかないタイプのゲームだと思う。

(最終更新日: 2010年4月29日 by ひっちぃ)

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