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聖☆おにいさん 1巻だけ

中村光 (講談社モーニングKC)

まあまあ(10点)
2009年2月22日
ひっちぃ

なぜか現代の日本でブッダとイエスがアパートでルームシェアして暮らしていて、伝説的な能力はそのままに性格が控えめになって普通に若者として生活を送っているという設定のギャグマンガ。

最近出たマンガでどれが面白いかを紹介した本をパラパラ見ていたらこの作品が一位だったので買って読んでみた。

期待が大きすぎたのはいつものことなのだけど、なんというか普通に面白いギャグマンガだった。ナンセンスでも爆発的でもなく、歴史上の人物をセンス良くコミカライズしていて、たぶんほとんどの人が読んで楽しめる間口の広さを持っていると思う。眉をひそめたくなるような下品さもないし、下ネタもほんの少しだけだった。

たとえばブッダ。1ページ目、アパートで昼寝をしているのだが、鳥たちが集まってきて体にとまる。でも性格は普通の若者に近いから、「大丈夫!今日はコレ、涅槃とかじゃないから!」と鳥たちを追い払って、「ほっとけ!」「仏なだけに?」「……今の別にかけてないよ!?」と会話を繰り広げる。でもって手塚治虫の「ブッダ」を読んで感動し、マンガ家になりたいと思うようになり、照れながら内輪ネタでマンガを描いたりする。

イエスは自分がコンビニでジョニー・デップに似てると女子高生から噂されたことを喜んだり、テレビドラマを追いかけて一生懸命ブログを更新して人気サイトを作ったりしている。お笑いが好きで、ブッダを誘って「ロン毛とパンチ」というコンビ名で町のお笑いイベントに参加したり。なぜかカナズチで泳ぐ練習をしようとしてプールの水を割ったり。

まあ確かに面白いんだけど、そんなに爆発力がないし、彼らの生活をずっと見ていたいと思うほどの魅力を感じなかった。良質な作品だとは思うのだけど。

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