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メイちゃんの執事 1巻まで

宮城理子 (マーガレットコミックス)

まあまあ(10点)
2009年2月7日
ひっちぃ

平凡な夢見がちの女子高生メイは、両親の不幸によって自分が大財閥の唯一の跡取りであることが分かる。彼女の身を守って世話するために執事一家から長身美形の有能な執事の理人が遣わされ、メイはその男に一目ぼれしてしまう。彼女の幼馴染で同じクラスの剣人はいままで彼女と喧嘩ばかりしていたが、実は自分の兄である理人と急速に仲良くなるメイに焦りを感じ、自らも執事見習いとなって彼女に近づこうとする。

最近テレビドラマ化されたので本屋に専用のコーナーができていた。テレビドラマ化されるからには面白いのだろうと思ってちょっとした興味で一冊だけ買って読んでみた。

それなりに面白くはあるのだけど、もういろんなところがあざとくてちょっとうんざりした。大財閥が出てきてこれからも沢山ネタに使われるんだろうなあ。両親が亡くなって悲しむ描写とか。まあこういう筋ならこう描くしかないんだろうな、なんて考えながら読んでしまった。

理人の超人ぶりに対して、剣人は自分の感情をもてあまし、美形ではあるけど身長が低いという弱点を持っている。それをこれからどうがんばっていくのか楽しみではある。理人のちょっとあやしいところとか、どうなっていくんだろうな。メイの天然ぶり、自分の気持ちに素直なところも気持ちいい。

でもなんか魅力をあんまり感じない。どうしてだろう。絵も割と好きな感じで、コミカルな場面でのデフォルメされた絵もいい感じだし、盛り上がる場面での晴れやかな表情もぐっとくるのに。

せっかく学校の友人たちを一通り描いたのに、もう次の巻で全寮制の超お嬢様学校への転入が決まって新たな展開が用意されていたり、これから話を作るための準備というか前フリを前もって描いていたりと、うまいのかヘタなのか分からないけど妙にちまちま考えられている点が私は気に入らないのだろうか。

今後の展開を引っ張っていく要素に吸引力がないんだよなあ。何より主人公メイの目的、理人の目にかなう最高のお嬢様となるためにはどんな障害をクリアしなければならないのか、という点においてはっきりしない。メイが命を狙われていてそれを理人や剣人が一生懸命守るという展開もまだ想像できないし。

一巻読んだだけで考えすぎなのかなぁ。

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