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DV-ACW60

SHARP

まあまあ(10点)
2008年8月10日
ひっちぃ

シャープのデジタルハイビジョンレコーダー。いわゆる地上デジタル波放送のダブルチューナーを装備したHDD/DVDレコーダー。容量は1TB。

2007年11月にヨドバシカメラでセールしていたので89,980円で買った。新しいモデルが既に出ていたので型落ちだったが、店員さんに質問して大した差がなかったというか所々新モデルよりも性能が高かったのでこっちにした。

8ヶ月以上使って大体評価が固まってきたのでレビューを書くことにした。

デザインがいいと思う。前面に曲面を作っているところがいい。もうカクカクしたデザインは時代遅れなんだろうな。DVDを入れるところがちょうど曲面になっていて、フロントローディングな点が直感的に納得できるのがいい。

番組表がちょっと使いづらい。時間軸が横になっていて、新聞のテレビ欄やその流れ上にあるウェブの番組表に慣れていると違和感がある。この点、新しいモデルでは縦横を変えられるようになったらしい。情報量や見せ方を考えたらテレビ欄とは逆のほうがいいだろうと考えたのかもしれないが、慣れの問題は大きいんだろうな。一画面に表示される情報もあまり多くないが、文字の大きさとか考えると仕方ないか。PC並の高解像度モードも欲しかった。

ダブルチューナーはPC用のアナログ波放送チューナーで既に体感済みだったから改めてすばらしいとは思わなかったが、かつては番組が重なると片方はどうしてもリアルタイムで視聴しなくてはならなかったので、当時と比べるとかなりの差がある。昔はビデオデッキがあっても一家に一台だったが、いまじゃ一人一台テレビとビデオがある。私はパソコンでアナログ放送だけなら同時二番組録画できるので、最大で四番組まで録れることになる。

時間帯の重なる二つ目の番組を録画しようとすると警告が出て、一つ目の番組予約を休止状態にするか、同時録画するかを選ぶようになっている。カーソルが最初、一つ目の番組予約を休止状態にする、の位置にあるのでついついこれを選んでしまい、予約をやりなおさなければならなくなる。面倒。なぜいちいちこうやって訊いてくるのかというと、重なる番組の録画は画質が限定されるからだろう。限定といっても高画質のほうに限定されるので何も問題はない。その他、延長設定をいちいち選ばなければいけないのも面倒で忘れそう。

テレビとの接続にはHDMIを使用している。D端子での接続を試していないので差は分からないし試そうとも思わないが、やはりデジタルはキレイだ。MPEG2のノイズまでハッキリクッキリ分かる(これは嫌味)。AQUOSリンクにより、テレビの入力をHDMIにするとレコーダーの電源が自動的に入り、レコーダーを操作するとテレビの入力が自動的にHDMIに変わる。これは特に機械に弱い人にはとてもいい機能だと思う。しかし私のように、S端子でパソコンのチューナーの外部入力端子にもつないで見ているひねくれものからすれば、この機能を切ることもできてほしかった。ちなみにこうするとパソコン側で低解像度ながら録画可能だ。コピーガードが掛からない古めのチューナーカードじゃないとダメだけど。こういう用途ならPV4やMonsterXを使ってD端子で取り込むほうがいいのだけど、残念ながら本機種ではHDMIとD端子の両方に出力することはできないので面倒くさくてやめた。

いまはフーリオとかMonster HDUSなんていうプロテクトの掛からない方法で地デジを録画できる機器があるのでそっちも欲しいのだけど、まだ私は日本の家電の完成度の高さを評価しているし信頼もしている。

1TBのこの最上位機種だけ光同軸デジタル出力がついている。一応CEC DA53につなげてみたが、ふーんって感じだった。角型のデジタル出力なら全機種についているしどうでもいい。AVアンプにつなぐときにロスの少ない同軸のほうがいいっていう人がいるのだろうか。

地上デジタル波放送を録画するとすごくキレイに録れるのだが、DVDに落とすとSVHS程度の画質になる。当然か。いまやDVDは低画質となってしまった。技術の進歩は恐ろしい。おまけにDVDに落とすとHDDのほうが消えてしまう。最近ダビング10が始まってから自動的にソフトウェアがアップデートされたのには驚いた。その時点から録画された番組は9回まではコピーになってHDDのほうは消えずに済む。遊びでDVDに一回落としたっきり使ってないけど。DVDに録っておきたいものがないし、録るならPCに録っている。本当はDVD-R/Wあたりで録ってCPRMを破ってリッピングするほうが画質のロスがなくていいんだろうけど、面倒なのでやってない。…面倒がらずにやってみようかな。っていうかそこまでやるなら何も考えずにDVD-Rをたくさん買ってきて落としまくった方が法律的にも手間を考えても良さそうだ。

基本的に私は録った番組は見たら消してしまうし、録っておきたいものはPCに落としてDivXで圧縮しているが、ごくまれにハイビジョンのまま残しておきたい番組も出てくる。そんなときは1TBもあるHDDに残しておけばいいのだが、たくさん番組をとり続けていると番組がたまってきて扱いに困ってくる。視聴する番組を選ぶにはリモコンでちまちまと選ばなければいけないのだが、100番組ぐらいになると破綻してくる。いま見たらグループを設定できるらしい。リモコンのフタをあけてグループ設定のボタンを押せばいいらしい。いままで気づかなかった。

録画中の時間とか残り再生時間なんかを画面に表示するためのボタンなんかもリモコンのフタをあけたところにあるボタンを押さないといけないようになっている。よく使う(?)ボタンにしては配置がお粗末に思う。

DVD視聴の切り替えが分かりにくい。どこかで見たユーザーレビューでも誰かが言っていた。これもリモコンのフタの中か。AQUOSの有名な欠点のひとつだったらしい。いまは改良されているかも。

私は機械を信用していないので、PCとこのレコーダーで毎度同じ番組を録画している。どちらかが失敗しても片方で成功すれば見れる。レコーダー側は一度だけ謎の録画失敗を起こしたことがあり、録画リスト上にはっきりと失敗の文字が書かれていたことがあったが、それっきりであとはきわめて安定している。PC側のチューナーはI-O DATAのGV-MVP/GXWなのだが無視できない頻度(一ヶ月に一回以上)で録画に失敗している。チューナーカードだけが原因ではないと思うがPC自体の信頼性の低さがよくわかる。

自分でもばかばかしいと思うのだが、わざわざ毎度毎度ハイビジョンで番組を録画しているにも関わらず、PCに録画したアナログ波のほうを見て消してしまうことが多い。たぶん八割がた、そうしている気がする。ハイビジョンで見たいと思う番組が限られている。それに37インチのテレビを机の上に置いているので、全画面で視聴すると椅子に座ったら近すぎる。うーん。これは私の運用方法を間違っているんだろうな。テレビや映画をじっくり見たいときはベッドに寝そべりながら大画面で見れて良いのだけど、PCで何かほかのことをやりながらテレビを見るときにハイビジョンは必要なかった。

いま買うならブルーレイになるのかな。やっとメディアも安くなってきたみたいだし、ハイビジョンをとっておきたいならHDDに入れておかなければならないDVDレコーダーの時代は終わりつつあるのだろう。HDDに入っている番組はレコーダーが壊れたら見れなくなる。どうしても残しておきたいものは低画質でいいなら外出し出来るし、ものによってはブルーレイで出たものを買えばいいのだから。現在のデジタル放送の状況を考えればこれは最適解の一つだったと思う。

言い忘れたが本シリーズにはチュートリアルがついている。おたすけ博士が簡単なアニメーションつきで使い方を説明してくれる。がんばってるなあと思った。でもまだ分かりにくい。チュートリアル自体の操作もあまり簡単ではないし。

ついでに言うと、これの250GBモデルのDV-ACW52が実質五万円でビックカメラで売っていたので親に買ってあげた。本シリーズはトータルで言うとまだまだ完成度が十分ではないが、機能と価格から考えるとまあまあ良いと思う。

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