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斉藤さん 1巻

小田ゆうあ (集英社オフィスユーコミックス)

まあまあ(10点)
2008年2月19日
ひっちぃ

主に幼稚園や地域社会を舞台に、堂々と正論を言ってよその子を叱ったり不良学生にも立ち向かっていくスーパー主婦斉藤さんを、気が弱い真野さんの視点で眺めて応援し、時に疎遠になりながらも、真野さんが成長していく話?

観月ありさ主演でドラマ化されてちょっと評判になっていたので試しに買って読んでみた。

あー、なんかスッキリする。斉藤さんを引き立てるために日本人の悪徳の事なかれ主義とかがこれでもかと描かれて本当に読んでいて腹が立つのだが、これを斉藤さんが臆さずバッサリ切り捨てるのがとても気持ちいい。

無論斉藤さんは一匹狼でみんなから嫌われている。主人公の真野さんもつい弱い心にくじけて、みんなと一緒になって斉藤さんと距離を置いてしまったりもする。斉藤さんも口では正しいことのためなら仲間なんていらないと言うが、実は心細くも思っている。人間味があっていいなあ。

ただ、この主人公にあまり感情移入できない。椎名軽穂「君に届け」でも思ったけど、現代日本人に訴えかける方向性を持っているので、多くの人を魅了する作品だと思うのだけど、私個人としては好みから少しズレているのかな。斉藤さんの孤独みたいなものに触れてくれてはいるのだけど、このへんもっと突っ込んでくれていれば私にもピンポイントだったかも。

現時点で四巻まで出ていて話が進んでいるんだろうけど、そんなに続きを読みたいと思わなかった。なんか展開が見えているからだろうな。斉藤さんは魅力的だけどそれだけで次の巻に手をとりたくなるほどでもなかった。それにこの購読者層向けの作品にありがち(?)なヌルさみたいなものも感じる。特に不良高校の学生の挙動なんか。

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