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千と千尋の神隠し
10歳(?)の女の子千尋が両親ともども不思議な場所に迷い込んでしまい、その場所を出るために色々やってるうちに成長していく物語。世界三大映画祭の一つベルリン映画祭で、アニメ映画として初めて一番いい賞(金熊賞)をもらった作品。

余談だが、金熊賞をゴールデンベア賞と呼ばない理由は同名ブランドが商標を持っているからだという噂がある。

とにかくめちゃくちゃ。ベースとなっているのは昔の日本の遊廓か? 風呂屋に宴会場がついたような油屋に、どこからか多くの異形の神々が集まってくる。千尋はその油屋で働くハメになる。

これは少女の夢だ、という評論が目立つが、たしかにそうとしか言えない。明確なものがなく、それっぽさの集合。自然破壊を戒めるかと思ったら突き放し、母親の愛を説くかと思ったら突き放す。

明らかに言えるのは、成長しろ成長しろという主張だろうか。ブーブー両親に不満をもらしていた千尋が、異世界の住人たちに小突かれながら世馴れていく。

それよりなにより、千尋はかわいい。誰かが千尋のことを、最初パッと見にはかわいいと思わなかったが見ていくに従ってかわいく思えてきた、と言っていたが、私は最初からかわいいと思った。思ったよりひょろひょろだったのは意外だったが、いかにも子供という感じの動きがしていい。すべって海老反りに倒れこむところとか、風呂桶の上に登ったり落ちたりするところがいい。

油屋の独特の喧騒も大好きだが、千尋がハクを助けに電車に乗るときのシーンがグッときた。カオナシ。文字通り、ぼやけた人々が互いに無関係にそれぞれの家路につく。逆に、行き着く先の場所は平凡すぎてガッカリした。

論じにくい。大きな主張は多分ない。細かなディテールを積み重ねている。最高のディテールを積み重ねている。積み重ねててはいるが、統一感がない。エンディングに感動がない。タイトルにある、千、千尋が本当の名を奪われたこと、本当の名は大切なものだということ、そういうモチーフが使われてはいるが、私には意味をなしたように見えなかった。

プロのいかにも声優、という声優を使わないのはいいのだが、明らかに下手でロレツが回っていないのもいるし、そっけなさすぎるのもいる。プロ使わないのに有名人使うのが理解不能。

音楽はそれほど印象なし。エンディングにあのコマーシャルで流れていた有名な曲が流れるが、それだけ。

映像としては、CG の使い方は 70点の出来。手書きアニメーションが 100点に近いのを考えるともったいない。

後半ダレた。最高の読後感を持った名作が沢山ある中で、この作品を名作とするには気が引ける。大きな賞を取って大きな注目を浴びて日本映画興行界に記録を残したとはいえ、作品自体は宮崎駿監督の気まぐれというか好きにやった作品なのだと思う。少なくとも大作ではない。

やはり、前半のドキドキとワクワクは確かなものだ。非常に素晴らしい作品である。

なお、私は映画館では見ていないのだが、DVD だけ見ても映像が若干赤すぎるような気がした。
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