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もやしもん 4巻まで
農業大学に進学した主人公の青年が、なぜか肉眼で象徴的に菌が見えてしまうという特殊能力を買われ、菌を専門とする老教授や、実は良家のお嬢様のレザーフェチな院生、密造酒で大もうけしようとする二人組の先輩などに引き込まれ、独特のキャンパスライフを送る話。

講談社の漫画誌イブニングに連載されているらしい。アニメ化もされた。

農業大学を舞台にしているのがこの作品の一番面白いところだと思う。ほとんどの人にとって縁が薄い農大の独特な世界に読者を導いてくれる。自給自足が可能な農大の特性を利用して、文化祭のときはまるで独立国のように独自の通貨と作物が流通したり、文化祭実行委員たちとの戦争があったりと、魅力的な学園生活を描いている。

菌や発酵についてのマメ知識というか教養がどれも興味深い。読者の興味を引きやすい酒の話がメインで、ほかに世界各国の発酵料理たとえば納豆やその仲間だとか、人間の皮膚に生息する菌の話なんかがある。老教授の口を使って語られる壮大な菌の夢なんかロマンチックで良かった。

ストーリーのほうはというと、主人公の青年やその周辺の人々の生き方の問題だとか、老教授が醸造蔵を作ってみんなで研究していく展開がそれなりに面白いのだけど、ストーリーの流れ方が淡々としていて起伏に乏しいように思う。悩みを抱える人たちもいるのだけど、掘り下げが不十分なように思えるし。

この作者、レズネタが好きなんだろうな。軽いレズ描写だけでインパクトあるだろうと思ってそれだけで終わらせちゃっているように感じた。

主人公と主要女性キャラの顔の描き分けがあまり出来ていないと思う。特に武藤の鼻の絆創膏がとれたら院生の女との区別がつきにくくなった。その他の人物も読んでいて見分けがつきにくくてイライラする。密造酒狙ってる男の先輩二人組とか老教授なんかは個性的でいい外見してるのになあ。

字が多くてある意味お得な内容なのだけど、全部読むと時間が掛かる。マンガ喫茶で読むより古本屋で手に入れて読んだ方がいいかも。

この作品が同じ講談社のアフタヌーンという雑誌に掲載されていると思い込んでいる人が多いみたいで、私もその一人だったのだけど、実際はイブニングという雑誌に掲載されているそうだ。なぜアフタヌーンだと思ったかというと、オタクっぽさがありつつもリア充(非オタク)的な価値観を良しとしているように思われるところがアフタヌーン的だなあと思ったから。

農大という別世界のディテール(細部)を楽しむことが出来る人にとっては、この作品はそれなりに魅力的だと思う。そうでない人ならば、そんなにストーリーに引き込まれる作品ではないので読まないほうがいいんじゃないかと思う。そういう人は大抵細かい字を読むのも嫌いだろうし。
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