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KORE 2 SOFTWARE EDITION
ソフトウェア音源を統合して整理してパフォーマンスするためのソフトから、ハードウェアコントローラを除いたもの。数百種類の音色を持つソフトウェア音源、数十種類のエフェクトも含まれる。

そもそもNative Instruments社製の沢山のソフトウェア音源を統合して使いやすくするために作られたと思われる。たとえばピアノ系ならピアノ系で複数のソフトが音色を持っているので、自分がどんな音色を持っていて、これからどんな音を使いたいのか探すのが面倒だったが、このソフトを使えば分かりやすいブラウザで比較的簡単に整理できる。

このソフトの便利なところは、自社製のソフトウェア音源だけでなく、他社製の音源もまとめて整理できる点である。どうやっているかというと、本ソフトがプラグインのクライアントだけでなくホストとしても動作するのだ。つまり、本来DAW⇔ソフトウェア音源と接続されるのを、DAW⇔KORE 2⇔ソフトウェア音源という風につなげることが出来る。さらにその上、複数のソフトウェア音源やエフェクトをつなげることが出来るのだ。

本製品はSOFTWARE EDITIONなのでついてこないが、KORE 2には8つのツマミといくつかのスイッチがついたフィジカルコントローラが付属してくる。ツマミをいじると音色をモーフィング(変化)させたり、スイッチで効果をオンオフできたりする。これを使えばパフォーマンスがしやすいほか、曲作りも感覚的に行える。

本製品は単体でソフトウェア音源としても使える。Native Instruments社が出しているサンプラーやシェーピング系のプレイバック(再生専用の)シンセになっている。一つ定価6,800円で拡張パックみたいな形で音色を拡張できる。

さて批評に入る。私がこのソフトを買ったのは、純粋にソフトウェア音源が欲しかったからだった。このKORE 2の簡略化版でフリーで公開されているKORE PLAYERを試しに使ってみて、いい音色がいくつかあったので、もっと音色が欲しくなって買った。それに私はシンセの音色を編集するのが面倒だし、一つ一つのソフトウェア音源を買い集めると高くつくので、だったら色んなソフトウェア音源のおいしいとこ取りでプリセットが充実してて比較的安価で手に入る音源が一つあればいいんじゃないかと思ったのだ。しかし、思ったほど良い音色がなかった。

Native Instrumentsの誇る業界標準サンプラーKONTAKTは、30GB以上のライブラリもついてくるが、ライブラリ自体はいまいちだという評価を得ている。確かにプロレベルを期待するのは厳しいかなと思ったが、十分いい音だと思う。特にアコースティックギターとオルガンの音が気に入った。あ、オルガンはKONTAKTではないかも。

大人気のシンセ系音源ABSYNTHを初め、MASSIVEやFM8なんかからもプリセットが収録されている。値段の割に音が良いという評判どおり、こちらは音質が高い。ただ、リード系の音しかあんまり聴いてないのだが、使ってみたいと思える音色は期待していたより少なかった。MASSIVEのRazor Bladeはとても良かったのだけど。

エフェクト類が思っていたより充実していて、中にはマルチバンドコンプまで入っていたりするのだが、積極的に使っているという声はなかった。DAW付属のエフェクトレベルなら、CubaseやSonarに付属しているものを使えば事足りるのだろう。もっと安い入門用のDAWと組み合わせれば得なのかもしれないが、既に最低限のエフェクトが揃っている人には無意味なものかもしれない。ただ、色合いが異なるエフェクトならいくつあってもいいんじゃないかとは思う。アルペジエータなんかは割と良かった。

KORE 2は同社製のシンセが一まとめになったKOMPLETE 5へ10万ちょいでアップグレードできる。しかしこのSOFTWARE EDITIONは例外となっている。KOMPLETE 5が気になっていたのにアップグレードできないと知ってがっかりした。なので私は代わりに同じ統合製品でIK MultimediaのTotal Studio 2 Bundle Crossgradeを買った。でもKOMPLETE 5のほうがエディットや音質という面で優れているので相変わらず気にはなっている。

本製品がこれで三万円ちょっとするのは妥当なのかどうか判断に困る。DTM製品は結構頻繁にセールをやったりする。たとえば同社製では現在BATTERY 3というドラム専用サンプラー(10GB分の音源つき)が半額の約一万五千円のキャンペーンをやっているし、いまMASSIVEを買うとKore 2の拡張音源として使えるプリセット集が二本ついてくる。セール外でこの製品を買ったのはもったいなかったかなと思っている。

拡張セットを一つ6,800円〜(高いやつは八千円台とかある)で取り揃えているのはなかなか悪くないやりかただと思うのだが、自分であんまり自由に扱えないものに金を払うのは抵抗があるのか、あんまり売れてない気がする。たとえばABSYNTHが二万五千円で、買うと数百種類のプリセットがついてきて、音色も自由に編集できるのに対して、拡張セットは6,800円でプリセットが200種類ついてくる。さあどっちを選ぶかというと、やはり単体のABSYNTHを選ぶ人が多いんじゃないだろうか。でもこの手の音源は音色の編集自体が難しく、音色を作ることにも腕がいるので、良い音色はそれ自体で価値がある。特に私みたいなプリセット重視の人間には良いものなので、拡張セットが値崩れしないかなと思っている。あんまり高い音源をポンポン買うのもイヤだし。

たぶんKORE 2を持っている人の多くは、KOMPLETE 5との抱き合わせ販売で138,000円というセットで購入した人がほとんどだろう。ちなみにこのセットに含まれるKORE 2はSOFTWARE EDITIONではなくフィジカルコントローラまでついてくる。つまり、KORE 2目当てで積極的に購入した人はほとんどいないんじゃないかと思う。

三万円出せば同社のABSYNTHを買ってもお釣りが来るし、ほかにもフル性能のソフトウェア音源が十分手に入る値段なので、自分が何を欲しいのかよく考えてから選んだほうがいいと思う。
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