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涼宮ハルヒの消失
イカレた性格をしたアホ女に振り回されて超常的な面子と共に奇妙な学園生活を送っていた普通の高校生の青年キョンが、ある日突然普通の世界に放り込まれて苦悩するうち、これまでの世界を取り戻そうと奮闘する話。

去年アニメ化により大ヒットしたSF学園ものシリーズの原作小説第四巻で、シリーズ累計での売上は八冊合計で三百万部を超えているらしい。

今回私は再読でこの作品を読んでみた。すると驚いたことに初読よりも引き込まれた。ストーリー知ってるのに。前半の主人公の戸惑いと絶望の描写が絶品だ。題名にもあるようにまずイカレ女こと涼宮ハルヒが学校から消えていたり、昨日までの現実と微妙にしかし確実に異なる世界に目眩を覚える主人公。本来の現実を知る人はいないか知り合いを尋ねて周り、そのたびに冷徹な新しい現実に撥ね返されて絶望する。素晴らしい。

安易で気楽で波乱のない世界よりも、困難があったとしても自分のかつて居た現実世界に戻りたい、というちょっと文学的なテーマが出てくる。

後半の解決編で無駄にタイムトラベルが何度か出てきたり、間を持たせすぎなアクションシーン、説明されても納得できないそもそもの原因、エピローグのとってつけたようなデレネタ、つじつまあわせ用エピソードと、気になる点はいくつもあるのだが、この作品にはそんなものを些細なこととして吹き飛ばしてしまうエネルギーがある。

さて今月末にようやくシリーズ最新刊「涼宮ハルヒの分裂」(仮称?)が出るそうだが、完成度の振幅が大きい本シリーズの中で、「…の憂鬱」とこの「…の消失」を超える傑作になるのかとても期待している。短編集だったとしてもだ。
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