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佐賀のがばいばあちゃん テレビドラマ版
芸人の島田洋七が小中学生の頃、母親と離れて佐賀の祖母と貧乏暮らしをしていたときの話を元にしたフィクション。明るい貧乏と、母を思う気持ち、同級生との淡いロマンス、人としての道、そして最後に祖母への思いが描かれる。

「がばい」とは方言で「すごい」の意味らしい。明るくてたくましいがばいばあちゃんを泉ピン子が好演している。このふてぶてしさと少しの物悲しさを演じるのに他に適した人が見当たらない。

貧乏話って結構多くの人が語っていて、大体パターンが出尽くした感がある。本作の場合も古いタイプの貧乏話なので目新しさは無かった。水筒の代わりに湯たんぽにお茶を入れて遠足に行くシーンだけ笑った。

最近聞いた貧乏話の中では、お笑い芸人コンビ「麒麟」の片方のエピソードがめちゃくちゃ面白くて、家の玄関前で突然明るく家族解散を宣言する父親とか、その後近所の公園の遊戯の中で暮らしたり、別行動していた姉と時々バッタリ会っていたとか、こっちを本にまとめてほしいと思う。

貧乏を除くと本作は古い定番の話になってしまう。これはこれで王道を行っていて面白いことは面白いのだけど、もっと爆発的な何かを期待していたので少しガッカリした。がばいばあちゃんはそんなにぶっとんだ人じゃない。外を歩くとき磁石を地面に引きずってクズ鉄を集めるところとか、人の家の庭の木になっている果物を盗りに行こうというところとか、十分変わっていると思うのだけど、自分の感覚が麻痺しているのだろうか。基本は人情の話だからいいのか。

最後、がばいばあちゃんとの別れのシーンが胸を打った。毎年運動会の日にそれとなく気づかせず主人公にやさしくする先生がいる。そんな先生のことをがばいばあちゃんは本当のやさしさを持った人だと主人公に言う。そういう伏線があって、最後のあの別離の盛り上がりが来る。その他、構成がしっかりしていて、違和感なく作品を楽しめた。

私は原作を読んでいないのだが、テレビドラマ版にはある種のツッコミや語りが欠けていると思う。貧乏話や人情話って、話をする人が自分でつっこんだり、聴いている人に訴えかけるようなところがあって、話者の視点というものがあったほうがいいように思う。とは言っても演出上無理なのだろうか。

私の両親が台湾に旅行に行ったとき、なんと原作本が台湾でも山積みで売られていたらしい。もとは島田洋七がヒットする三年前ぐらいから地道に宣伝活動していたらしいので最近の本ではないようなのだが、この早さはすごいと思った。
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