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踊る大捜査線 THE MOVIE 2
謎の犯行グループを相手に戦う警視庁本庁と、その指示のもとで泥臭い仕事をさせられる湾岸署の間の、組織的な軋轢を乗り越えていこうとするさまを描いた、テレビドラマから生まれた人気シリーズの映画作品。

織田裕二主演の一風変わった刑事モノのテレビドラマだが、それだけではないのがこの作品だ。陳腐な言い方をすると、既存の刑事ドラマのアンチ・テーゼ。銃をバンバン撃つ荒唐無稽なアクションで人気を博した西部警察とは正反対の、現代日本の現実の刑事の仕事をリアルに描いてみせた、これまでにない画期的な作品なのだ。

さて今作だが、テーマは組織のありようとなっている。所轄(地方の警察署の管轄範囲)で起きた事件が本格的な殺人事件だったことから、警視庁が指揮を執ることになった。湾岸署に捜査本部が設置され、本庁から初の女性キャリアが指揮官として乗り込んできた。この指揮官がやたら高圧的で、所轄署の人間を兵隊と呼び、軋轢を生じさせる。

これ以上話の筋を話すとネタバレになるのでやめる。

組織論の話が出てくる。そこがちょっと面白い。シリーズを通して、キャリアとノンキャリアの問題が描かれるのだが、作者はこの制度をまるっきり否定しているわけではないようだ。そのあたりが好感が持てる。キャリアは軍隊で言えば士官そのもので、優秀だから何でも出来るというわけではなくて、組織の上の役割を果たせるよう専門に教育を受ける人たちだ。職分が違うので、とにかくエラいというわけではない…はずである。まあ、下にバカがいてもなんとかなるが、上にバカがいるとどうしようもないので、優秀な人を選ばなければならないし、そのために高い報酬を得るのも仕方がないのだろう。そんなこんなで、主人公の青島刑事が言う言葉は、リーダーしっかりせえと言いたいようである。

ヒロインがなんかいまいちだなぁ。これ誰? 前作も青島の返り血で血だらけになってなかったっけ。ヒロインがもっと魅力的だったら良かったのになぁ。まあそうなると女性ファンがつかなくなるのでしょうがないところか。水野美紀がいるからいいか。

別の事件が絡んでくるのが面白い。最後にオチまでついてるし。

サブタイトルが「レインボーブリッジを封鎖せよ!」なのだが、そのレインボーブリッジを封鎖しようとする場面がめちゃくちゃ笑える。サブタイトルにこういうネタを持ってくるのは非常に高度な造りで、素直にちょっと感動した。素晴らしい!

さて週刊誌では、主演の織田祐二との交渉がうまくいかなかったのか、次回作では彼を切っていて、次は今作で交渉人として生まれ変わった真下正義(ユースケ・サンタマリア)が主役として横展開が図られている。とてもいい判断だと思う。織田祐二も良かったし、是非今後仲直りしてまた出て欲しいけど、彼がいなくてもこのシリーズは成立する。製作スタッフが優れていることは疑いない。織田祐二側に何か目算があったのかもしれないが、このシリーズに関してはあまり自分たちを高く売ろうとしないほうが良かったのではないだろうか。

このシリーズ、フジテレビは結構儲かっているらしい。ついこのまえ最新作が封切られたみたいなので、興行成績が楽しみだ。もし悪かったら、やっぱり織田祐二でした、ってことになる。作品の質は多分良いだろうから、観客次第かな。ああ、そうそう、いかりや長介もいないし。どうなることか。というかそれ以前に、最近起きたJR西日本の列車事故で、封切すら危なかったのではないかと思う。暴走列車がメインテーマらしい。よくまあ強行したなと思う。

結論として、ちょっと分かり易すぎる点が目に付くが、娯楽大作として傑作だと思う。こんな映画がもっともっと出てきて欲しい。
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