ひとりぼっちの異世界攻略 3巻まで |
孤高を気取る高校生男子の遥は、クラス全員が異世界に飛ばされようとしたときにとっさに異変に気づいて逃れようとしたために神様からの案内が遅れてしまい、早い者勝ちだったスキルは余りものだけしか残っていなかった。ファンタジー風の異世界で互いに疑心暗鬼でサバイバルしているクラスメイトをよそ目に、彼は一人でマイペースに攻略を進めるが騒動に巻き込まれる。ファンタジー小説が原作のコミカライズ版。
2024年にアニメ化されたのを見て、中二病っぽい主人公に気恥ずかしさを感じてダメだったので途中で見るのをやめてしまったんだけど、演出のせいかと思ってこのコミカライズ版に手を出してみたらやっぱりダメだった。
異世界に転生されるときのパターンっていろいろあるけれど、この作品ではクラス全体を魔法陣みたいなものが覆うパターンで、主人公の遥はなんとなく異変に気付いて危機回避したと思ったらどうやらそれが中途半端なものとなってしまい、結局異世界転送されたんだけどしばらく何もない空間に放置されたと思ったらあとで気づいた神様から最後にガイダンスを受けることになる。
そこで遥は神様と半ば強引に交渉して本来は一つしかもらえないはずのスキルを余りものながら全部手に入れ、パラメータは運に極振りする。出遅れた彼はたった一人で異世界攻略に乗り出す。余りもので役立たずかと思われたスキルの数々は彼の機転によって思わぬ効果を発揮するのだった。
一緒に転送されたクラスメイトたちとはあえて合流せずにいたところ、彼らの間でなにやら不穏なことになっていたようで、小田を中心としたオタクたちのグループが離脱したことを知る。どうやら彼らはクラス内で異世界攻略をリードしていたみたいなんだけど、いいように使われたあげくいざこざが生じて追放されたらしかった。
その主な原因はわがままばかり言っていたクラスの一部の女子たちだったんだけど、男子たちは不良グループと体育会系グループとが争いを始めて独自行動をとるようになったため彼女たちは困窮し、ついには遥に助けを求めてくる。やれやれwと自分の城に迎え入れるのだった。
こいつのキャラがよくわからんかった。題のとおりひとりぼっちなんだけど決してコミュ障ではない。まあだから自分はこいつのことを孤高を気取る男子と言ったのだけど、かといってみんなをバカにしているわけでもないみたいだった。その証拠に、クラスの委員長をやっていた女の子には一目置いているし恐れてもいる。まあ恐れているといってもやれやれ委員長の頼みは断れないぜwみたいな感じなんだけどw
作品全体が遥にとって都合のいい空間に思えてしょうがなかった。襲ってくるモンスターですら予想の範囲内で彼の自我の一部とすら思えた。たとえば遥はクラスの女子たちを鍛えるためにコボルト三匹を練習相手にして戦わせるんだけど、そいつらがしまいには「特訓つけてやるか」みたいな態度を示してコミカルに描かれるようになる。なんかこの時点でああ無理だなあと思えてきた。
スキルを悪用してクラスの女の子たちに暴行を働こうとする不良グループたちに対してもわりと余裕をもって対応しようとしていたし、裏で糸を引いてクラス崩壊に導こうとしていた黒幕に対しても真剣勝負でありながらどこか余裕を感じているように思えた。まあそれは彼のカラ元気だったのかもしれないけれど、彼がこの世界とどう向き合おうとしているのかという意識が作品全体を世界観として覆っており、それが幼稚で気恥ずかしく思えてならなかった。
体育会系グループのことを「莫迦(バカ)」と呼んでいるのも彼自身の自意識から来るものだと思う。本来不良グループから女子たちを守らなければならないはずの彼らが一歩引いているように見えたから下に見たのかもしれないんだけど、彼らには彼らの理由があったみたいだし、そもそも独立した人間に対する敬意みたいなものを感じなかった。彼らが莫迦と言われても大して腹を立てていなかったのにも違和感を感じた。
そんなこの作品は単行本にしてもう25巻まで出ているので結構人気あるんだと思う。自分はムリだったけど作り話って都合よく成功するから楽しいんであって、個人の好みによるところが大きいんだとは思う。実際自分は恋愛モノだったら最後には成就してほしいし脇役同士もくっついてほしいけど現実ではなかなかそうもいかない。
絵がこれまた少年誌っぽい絵で内容にとてもマッチしていると思う。クラスメイトたちは表情豊かに遥と接してくるし、モンスターのコミカルな描かれ方も絶妙だと思う。マンガとしても読みやすかった。
やれやれwが好きな人にはすごく楽しめそうなので読んでみたらどうだろうか。
|
|
|
題名 | | * |
| コメントを一言で要約して題をつけて入力してください。 | |
ファイル | | |
| アップロードしたい画像ファイルを入力してください。 | |
中身 | | * |
| 必ず日本語を入れてください(SPAM対策)。 | |
| コメントを書いてください。 | |
続きリンク | | |
| 上に URL を入力しておくと、上の文章のあとにその URL に飛ぶ「続き」というリンクが作成されます。読者を他のページに案内したい場合に利用してください。 | |
評価 |
| * |
| この事物に明確な評価を与えてください。現在のところ 最高(+50) 傑作(+30) まあまあ(+10) いまいち(-10) 駄作(-30) 最低(-50) の六段階評価となっています。0 つまり平凡だという評価を下すことはできませんが、省略することもできます。 | |