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Clear force Ultimate
日本の産業機器メーカーORBによるヘッドホンの交換用ケーブル。古川電工の関連会社が開発したPC-Triple Cという単結晶純銅線を使用し、高音質かつ取り回しがよくてタッチノイズが少ないのが特徴。

以前同シリーズのClear force Lightという廉価版の製品を買い、正直音質はそんなでもなかったけれど造りが良かったので、他のラインナップも試してみてもいいかなと思っていたら、ヨドバシカメラでこのUltimateの一部製品が9,800円で投げ売りされだしたので、多くのイヤホンで使われているMMCX 3.5mmと、比較的多くのヘッドホンで使われている3.5φ Slim body double 3.5mmを一本ずつ買ってみた。正直、Ultimate(究極)の名を冠するほどではないと思ったけれど、まあまあ良かった。

まず、自分の中で最も使用頻度の高いCampfire Audioの初代VEGAにつけてみた。高域の解像度が上がったかなと思ったけど、超高域のシュワシュワキラキラした感じの帯域が明らかに減った。付属のLitz Wire Earphone Cableが銀コート線なのに対して、このClear force Ultimateが純銅線だからだと思う。しかし純銅線にしては割と高域が出ており、こもった感じはしなかった。

次にCampfire Audio Atlasにつけてみた。今度は露骨に音がおとなしくなったのを感じた。なにせ付属のPure Silver Litz Cableは純銀線なので仕方ないと思う。Atlasは高域も低域もピーキーなのが特徴であり、高域は歪みも感じるけれど非常に爽快な音を聴かせてくれる。それがClear force Ultimateでおとなしくなってしまった。ただ、長く聴いていられる落ち着いた音にはなったと思う。まあ魅力も薄れてしまったのだけど。

最後に試したイヤホンはAstell & KernのT8iE mk2で、こいつとは非常に相性がよかった。beyerdynamic独特の生々しいサウンドの魅力が増した上に、ちょっと刺激的で刺さると言われている高域がほどよくおとなしくなったように思った。

一方のヘッドホンのほうはというと、beyerdynamicのT5p 2ndとAventhoで試してみたところ、やはりこれもT8iE mk2と似たように割といい感じに鳴ってくれた。といってもT5pは2ndでちょっと日本向けにチューニングされたせいかあまり刺さらずにちんまりと鳴るようになったのでそこまで相性の良さを感じなかった。Aventhoの方も元々そんなに刺さらないので特別にいいというほどでもなかった。

Aventhoをifi audio micro iDSD Diabloで鳴らしてみたところ、beyerdynamic純正のケーブルと比べて明らかに少し閉塞感があった。超高域が減衰して抜けの悪い音になっていた。正直この組み合わせでは常用したくないなと思った。

ほかにHifiman HE6SeとUltrasone PRO900 balancedにも使えたのだけど、あまり試してみたいと思わなかったので聴いてない。

良くも悪くも純銅線だった。銀コート線や純銀線は明らかに高域が盛られる。でもイヤホンやヘッドホンの音響特性的に超高域はどうしても不正確になってしまうので、ケーブルでノイズっぽく超高域を埋めてしまうのが音質的に最適解なのかなと思ってしまう。と言っても最近だと静電型ドライバーでカバーするという手法も出てきたのだけど。ORBの最近のラインナップを見ると銀コート線と純銀線があるので、メーカーもそれは分かっているんだと思う。少なくともユーザーの需要があるという点は。

beyerdynamicの純正ケーブルも純銅線なのだけど、こっちは超高域もちゃんと出ているし、多少そっけなくても音響的には正確なんじゃないかと思う。Clear force Ultimateの方が高域が少しリッチに鳴っているように思うんだけど、解像度が上がったような気がしつつも若干音が潰れている感じがする。

ちなみにbeyerdynamicの純正ケーブルのほうは太くて取り回しが悪いし、ストレートプラグなのでデジタルオーディオプレイヤーに直接差すとプラグが折れそうに感じるし(L字の変換アダプタを使えばいいんだけど)、手に入れた二本中一本が接触不良を起こして修理した。

取り回しという点で言うと、このClear force Ultimateはそれなりに細くて柔らかいので扱いやすい。ただ、地味に太いので四つ折りにはできても八つ折りは厳しかった。Campfire Audioの(というかALO audioの?)ケーブルは八つ折りができるのでポケットにしまいやすいんだけど、四つ折りだと地味に収納しづらいのでClear force Ultimateは円形に巻くことにならざるをえない。

結論を言うと、正直あえて買うほどのものではなかったなと思った。T8iE mk2に関しては明らかによくなったけれど、このイヤホン自体ちょっと古くて聴く機会も減っている。明らかに需要のある点として、超高域が大人しくなるので聴き疲れしにくくなるのは確かだと思う。でも自分としては超高域の刺激を求めてしまう。そうなってくると、同社の最近のラインナップである銀コート線や純銀線のほうにも興味が出てくる。まあさすがに定価付近で買う気は起きないんだけど。
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