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30年越しに蘇る #アクトレイザー 音楽の創造と再生 作曲家古代祐三さん プロデューサー中島啓輔 【#スクエニの創りかた】
スーパーファミコン初期の名作ゲーム・アクトレイザーが30年越しにリメイクされたということで、オリジナルに引き続いて作曲した古代祐三と、リメイク版をプロデュースした中島啓輔を、声優の安元洋貴がスクウェア・エニックスの公式番組としてインタビューした動画。

Nintendo Switch Onlineの無料チケットが次に来たら何をプレイしようか考えていたときにこのアクトレイザーのことを思い出し、動画サイトYouTubeで検索しているうちにリメイク版が出ていたことを知り、おすすめにこの動画が上がっていたので見てみた。作曲家の古代祐三の現在動いている姿(四年前だけど)を見ることができてうれしかった。なお、アクトレイザーはバーチャルコンソールにはなかった。

この人が作曲したアクトレイザーの音楽は、ゲーム評論家の山下章をしてゲームカートリッジの中にオーケストラがいると言わしめるなど当時の人々に衝撃を与え(サウンドトラックCDのライナーノーツより)、特にファイナルファンタジー4の音楽を作曲した植松伸夫はそれまで作っていた曲を一部考えなおしたと言われているほどだった。自分も当時衝撃を受けてサウンドトラックを買った。

なにがすごいって、ファミコンのピコピコ音だった世界から、スーパーファミコンになってソニーが開発したPCM音源8声のサウンドモジュールが搭載されたことにより、原理的には楽器の音を録音して切り貼りして音を出すことができるようになったものの、波形用のメモリが少なすぎてまだまだ全然表現できる音が大したことなかった時代に、その性能を最大限に活用してオーケストラっぽい音楽を再現したことだった。

古代祐三はパソコンゲーム全盛期に日本ファルコムの名作RPGイースなどの作曲で知られ、まさにピコピコ音の申し子のような人だったのだけど、それがなぜここまで重厚な音楽を作れたのかというと、ピアニストだった母親からはピアノを猛稽古させられていたほか、その母親がなんとあの久石譲(ナウシカやラピュタ等の作曲家)の知り合いだということで小学生のころから通っていろんな音楽に触れていたらしい。

それだけじゃなくてびっくりするのはソフトウェアにも詳しくてなんとサウンドドライバを自作もしていた。さすがにスーパーファミコンではコードはいじっていないみたいなんだけど、サウンドモジュールの性能表を見てこのぐらいはできるはずということでプログラマーに頼んでいたことがこの動画で語られている。

そんなレジェンドに対して、スクウェア・エニックスのプロデューサーはインタビュー当時若干29歳の若造(!)で、ゲーム作りは2~3年かかると言っているのでおそらく企画開始当初は26, 7ぐらいだった中島啓輔という人が同じくインタビューを受けている。

なんとこいつにダメ出しを受けたと言っていて笑った。フィルモアという代表曲で、いったいどんなダメ出しだったのかというと、リメイクによりパワーアップしたのだということを音楽でも表現してほしかったというのと、ゲーム外でも聴かれる代表曲なのでメロディをわかりやすくしてほしかったという二点を指摘したとのことだった。

リテイク前のデモ版の曲も動画内で聴かせてくれていた。これ聴いて自分が思ったのは、オリジナルでは伴奏パートが前に出てきて印象的なフレーズを奏でていた部分が、リテイク前のデモ版ではちょっと引っ込んだかなっていうこと、それとオリジナルではワンコーラス後にいきなりループさせていたのだけど、リテイク前ではいったんクールダウン的な間奏が新たに入っていたことだった。

あー、なるほどなー、と思った。オリジナル版では良くも悪くもすべてのパートが前に出てきていたのだけど、実際の音楽では伴奏は決してリード楽器のようには前に出てこないし、すぐにループに入ったりもしない。リメイクにあたって音も生々しくなることからそれにあった編曲にしたのだと思う。

でもオリジナル版を聞いていた人にとっては、たとえ伴奏であってもあのフレーズは引っ込まずに前に出てきてほしいし、とってつけたような余計な間奏なんて入れてほしくないと思いそうではあった。

で結局リテイク後がどうなったのかというと、一言で言えばオリジナル版をそのまま生楽器のバンドで演奏した感じになっている。

だからこの若造(失礼)のプロデュースは、当時のファンの気持ちに寄り添ったという点では一つの正解ではあったのだと思う。でもそれだったら本人に頼む必要なかったのでは?

自分だったら、いま新たに音楽を作るとしたらどうなるかという方向で自由に作ってもらったと思う。だからリテイク前の方向がよかった。当人は迷いを感じていたと言っていたけれど、そうならないようあらかじめ自由に作ってくれと言っておくべきだった。一部のファンからはいまいちだと言われたかもしれないけど、本人に頼んで本人が作ったんだったら文句は言わせない(!)。

それか全然別の人にオリジナルの曲を守った上で現代風にリッチにしてくれと言ったと思う。別の人が曲を変えたらたぶんボコボコに叩かれるだろうからw

オリジナルがすでに完成されすぎていてどう変えようかが難しかったと当人も言っていた。確かにそのとおりだと思う。オリジナルの音色と音圧があって初めてこの曲が成立していたので、なにか足したり引いたりするのは難しかった。

自分だったらヘンに生楽器を使わずに全部シンセの音にして譜面はそのままにすると思う。リメイク版はリードが生ギターになってリッチにはなったけれどやっぱり違和感があった。ギター風のシンセが一番マッチしたと思う。

ちなみに自分はこのフィルモアよりもブラッドプールのほうが好きだった。フィルモアだけ当人が言っているようにプログレ風(プログレッシブ・ロックつまりクラシックの要素が入ったロック)で、残りの曲は映画音楽らしい。シミュレーションパートの音楽はいきなりピコッてて最後の方はバロック音楽っぽくなってるけど変拍子が組み込まれている。

この人はほんとにいろんな曲を作れる人で、ベア・ナックルではハウスっぽいあっち風の音楽を作ってアメリカなんかではそれで知られているし、カルドセプトではあのネイティブな英語でかっこよくカード名を読み上げる演出に合った重厚な曲を作っている。

でもこの人の一番の魅力はポリフォニーつまり多声音楽だと思う。昔のハードは音数が非常に限られていたので、現代の音楽のようにコードで音を同時に鳴らしているとすぐに音が尽きてしまっていた。だからアルペジオ(分散和音)にするだけでなくバロック音楽なんかで使われているような対位法的な動きをさせたりするのだけど、そのセンスが素晴らしかった。

ポリフォニーは決して昔の技法ではなくて、最近でもデジタルポップの申し子YOASOBIのAyaseがそれを意識して曲を作っていると言っているし、バンド音楽の中でも90年代に一世を風靡したガールロックバンドJUDY AND MARYのギターはほとんどコードを弾かずに独立した動きを奏でている。

古代祐三のアーリー・コレクションを聴くと、PSG音源たった3声でこれだけキャッチーで脈動感のある曲を作れるなんてほんとうにすごいと思う。

ちょっと話を戻すと、スクウェア・エニックスって二十代の若者にプロデューサーを任せちゃうような会社になったから今の体たらくなのかなという答え合わせができた思いだった。正直この中島啓輔という人のことはよく知らない。事実としてSteamで賛否両論というダメな評価を受けたゲームを作ったにせよ、ディレクター以下がダメだったのかもしれないし、あるいは予算や期間の制約が厳しかったとかあったのかもしれない。

やはりプロデューサーはなにかしら製作現場で経験を積んだ人がやるべきだと思う。作る人の気持ちがある程度分かってないといい方針は出せない。営業畑の人がやってもいいと思うけどそれは例外で、そういう人は顧客目線で方針を決めつつ製作の現場にはあまり口を出さないほうがいい。なんにせよ、最初からプロデューサーをさせるべく若い人を採って育てるなんて愚の骨頂だと思う。

別のゆっくり解説動画を見ていて言われていたのだけど、アクションパートのステージ開始時に石像に光が下りてきてそれが生の戦士になって始まり、ボスを倒したあとにまた戦士が石像に戻って光が天に昇っていくという演出を削ったのはとても残念だった。自分はこれはあってはならない問題だと思う。ゲームの根幹に関わる演出だから。ムービー入れてもいいぐらいだと思う。…そんな予算ないかw

【ゆっくり紹介】発売から30年・・・いよいよ待望のリメイク!【アクトレイザー・ルネサンス】
https://www.youtube.com/watch?v=6yyb5SfvnQ8

ホロライブの姫森ルーナがアクトレイザー35周年としてオリジナル版のアクトレイザーの実況配信をしていて、なんと配信予告ポストを古代祐三がリポストしていてびっくりしたw

【 アクトレイザー 】35周年記念!スーファミ実機でレトロゲームするのら!!!#1【姫森ルーナ/ホロライブ】
https://www.youtube.com/watch?v=xgXrqm-5RC8

実機でプレイしているとのこと。リメイク版じゃないところがいい。まだ小一時間ぐらいしか見れてないんだけど、アクションパートの道中でだいぶ先が思いやられるなあと思ったらボスは割とあっさり倒してシミュレーションパートまで順調に進めていた。神の目線で下々の人間たちと会話してて笑ったw

そんなわけで35年前にゲーム業界を騒然とさせた一本のソフトがひっそりと5年前にリメイクされ、その音楽がどのように作られたのかがわかるこの動画、なつかしい人は見てみるといいと思う。
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