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中古でも恋がしたい! 2巻まで
Hなゲームが好きな隠れオタクの新宮清一は、偶然入った裏路地で不良少女の綾女古都子が同じ不良グループの男たちに乱暴されそうになっているのをとっさの機転で助けて以来、彼女に好かれてしまう。援助交際をしているという噂のある「中古」の彼女が、エロゲーのヒロインしか好きにならない清一に対して精一杯のアプローチをする。ライトノベル。

あまりにひどい題なので気になって読んでみた。編集部の思うつぼだ。コミカライズもされているようだけど、さすがに題は変えられたみたいだった。子供に「中古ってなに?」って聞かれたらどうするのか。

不良少女が普通の男に惚れるというのがこの作品のコンセプトだと思う。彼女はこの手の作品にありがちな萌え要素がない普通の(?)不良少女で、だからこそそんな彼女がぎこちなく萌えヒロインのマネごとをしようとするのが面白い。

いっぽうの清一も、クラスではちょっと明るいオタクを装っており、自分がエロゲーを好きなことは同士の外崎以外には内緒にしている。ところが外崎はうっかりものなので綾女にバレてしまう。

同じクラスにはなんと現役声優の初芝という女の子がいる。仕事でよく授業を抜けるけれど、クラスの人気者で男女問わず好かれており、清一もアニメやゲームが好きなので雲の上の存在として憧れている。しかし綾女が清一にアプローチするようになってから、初芝もまた急に清一に近付いてくる。彼女たちのそばには、怪しい不良男子の尊郷が見え隠れするのだった。一巻は二人の女の子をめぐる問題が最終的に解決(?)するまでが描かれる。

二巻は不良少女だった綾女の悪評を払拭するためにみんなでがんばる話。清一は最初、従姉の小谷桐子が同じ学校で先生をやっていて逆らえなかったので綾女を更生させようとしていたのだが、綾女のことを知るにつれて綾女は単に荒れていただけで援助交際は嘘で暴力にもちゃんと理由があることを知る。そこで彼らは、学校でゲームをやるためにでっちあげた部活の部室に集まり、どうすれば綾女の悪い噂をなくすことができるのか考える。そこへ、清一のことをかつてこっぴどく振った女の子が転校してきて、清一たちをかき乱すのだった。

で、ここまで読んでもういいやと思って読むのをやめた。

多分一番の理由は、ヒロインにあまり魅力を感じられなかったからだと思う。自分でもなぜ好きになれなかったのかよく分からないのだけど、冒頭でいきなりデレて、清一の趣味に染まってしまうからなんじゃないかと思う。こんなのやってられるか!みたいな感じに葛藤とか羞恥とかがあれば萌え的にもギャグ的にも良かったと思うのだけど、いきなり黒髪ツインテールにしてくるなど、綾女は割と従順にエロゲのヒロインを研究して演じてしまう。地は残っているので照れてはいるのだけど、清一ですら引くようなことをやってしまうなど、すんなりいきすぎだと思う。本来の不良という属性も、清一の生意気な妹の聖美を憧れさせる以外はマイナス要素にしか働かないし、それすら中途半端だし。

声優やってる初芝も、優等生的でいい人的な感じであまり面白みがなかった。清一にくっついて誘惑してくるところは小悪魔的ではあったのだけど、本来ならキャラじゃないことを一生懸命やってる感が出ていなくて、普通に読み進んでしまった。それとも色んな面を持つキャラなのかもしれないけれど、だとしてもやっぱり面白みがないし。あと、初芝は清一に重大な秘密を握られてしまうのだけど、それによって何かあるわけでもなかった。まあ秘密は互いに握っているわけだけど。初芝ファンの他校生とかも出てこないし。

清一の親友の外崎がうっかりもので清一の足を時々引っ張るところが面白かった。2巻までの段階では単なる間の抜けたキャラというだけなのでなんともいえないんだけど。

あとがきで筆者がゲーム業界でプランナーをやっていたと書いているのでそのイメージに引っ張られた感想なのかもしれないけれど、ストーリーが筋書きに従って進みすぎだと思う。話がカッチリしているのだけど、物語としては不自然に感じた。さらに二巻は筋書きも安直で、どういう展開になるのか一応期待しながら読み進んだら最後シラケた。というかイブというキャラ自体がダメすぎた。

清一が現実の女の子を好きになれないところを、ねちっこくとは言わないけれどある程度描いて欲しかったんだけど、過去の事件を延々モノローグで語っただけで終わってしまった。そのせいで清一がよく分からない主人公的なキャラとしか思えなかった。一方で、トラウマがフラッシュバックするシーンはすごく迫力があって読んでいて戦慄した。

ヒロインが主人公の好みにあわせてけなげにアプローチしていったり、自分の悪いところをなおそうとしたり、それにほだされてヒロインのことを好きになっていく主人公、みたいな話が好きな人なら、それなりに楽しめるんじゃないかと思う。
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