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『「奇譚クラブ」の人々』
SM作家として普通の人々にも広く知られる団鬼六などを生んだ変態雑誌「奇譚クラブ」について書いた本『「奇譚クラブ」の人々』(北原童夢 早乙女宏美 河出文庫)を取り上げた書評。

書いた坪内祐三は、この手の掘り起こしを専門にやっている人みたいで、週刊文春の過去数十年分から抜き出してまとめた本の編集もやっている。

実のところ私はこの連載は大体読み飛ばしている。内容がマニアックすぎるし、作者も自分の興味を中心に語っているので、知らないと入っていけない。なぜこのコーナーが長く続いているのか疑問だが、読書歴の長いおじさんたちにはウケているのかもしれない。

今回はSM雑誌のことを書いた本を取り上げていたので、久しぶりにこのコーナーの文章を全部読めた。引用がとても興味深い。主にその雑誌の編集長が、なぜSMに目覚めたのか、というところを非常に簡潔に興味深く抜き出している。

まず少年時代、全裸で柱に縛り付けられた母親を見たそうだ。なぜそんな状況になったのかというと、あとで少年が聞いた話によると、父親が死んだあとにその母親は遺産を食い潰して役者遊びをし、後見人だった叔父からこのような罰を受けたのだという。

それだけにとどまらない。戦争中、敵の捕虜になり、敵の従軍看護婦から強姦ならぬ強チンされたそうだ。ベッドに縄で縛り付けられ、またがってきたのだそうだ。…一体どこの国の看護婦だ?

こういう内容を取り上げる勇気は認めるが、前置きがなんとも情けない。自分は変態ではないんだ、変態行為への興味は全然ないんだ、ただ人間オタクなので変態な人に興味があるんだ、と断るところは気弱だ。たとえ心の底から興味がないとしても、ここまで強く否定することはないし、まったく興味がないなんてことはそもそも考えられない。

というわけで、作者の広い発掘範囲に驚くと同時に、もっとさらっと書いてもいいんじゃないの、と思わせるような青さを感じた。
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