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ウイナー・テイク・オール
アメリカの経済界には、いわゆる CEO クラブというものがあり、特定の人々が CEO やその任命権者となっているという話。

アメリカでの製造業の平均労働者と CEO つまり最高経営責任者との間の給与平均格差は411倍にも達するという。日本はまだ二十数倍だというが、いまの日本はアメリカのあとを追っている。ちなみにこの数字はうろ覚えなので注意。

CEO をはじめとした経営陣が、企業の業績に多大な貢献があるというなら、報酬の格差があってもそれは妥当である。しかし実際には、経営陣がどれだけ貢献したかを計る目安はなく、そんな中で経営陣を評価するコンサルタントがグルになって報酬を高騰させている、と作者は言う。

その背景の一つに、叩き上げの社長を据えるとウォール街が納得しないからだというのも挙げている。既に業績や名前のある経営者を経営陣に迎えることで、株主の期待に応え、株価対策になるからだ。

ルーセント・テクノロジーにいて優れたビジネスウーマンだと雑誌に取り上げられたことでヒューレット・パッカードの CEO に抜擢されたフィオリーナは、同社の株価を 58% も下げたのに 17億円もの報酬を受け取ったという。

エンロンの役員たちは、会社の純利益が九億七千五百万ドルなのに自分たちに七億五千万ドルの現金ボーナスを支給していたそうだ。

ふと不思議に思ったのは、ウォール街ほどの市場がこのような経営陣とコンサルタントとの癒着を見抜けないなんてことがあるのだろうか、ということだ。いい加減な経営人を選んで困るのは株主であるはずなのだから、当然敏感であるはずなのだ。ひょっとして、ウォール街もグルだということにならないだろうか。

私たちは、封建時代に生まれなくて良かったと、平等な現代に生きているつもりになっているが、依然として貴族のような人々はいる。人間が文明を持ち続ける限りそれは不変の事実なのだろう。そんなことを改めて考えさせられた。
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