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シヴィライゼーションV
文明同士の興亡を扱い、ストラテジーゲーム(戦略級シミュレーションゲーム)の中で一番人気のあるシリーズの最新作。新たに都市国家という独立勢力や、文化力によって獲得できる社会制度ツリーが導入されたほか、都市自体が戦闘力を持ったり、軍事ユニットを一つのマスに複数配置できなくなったりするなどの大きな変更が加わった。

発売半年前くらいから待ち遠しくて、発売日に買ったのだけど、例によってしばらく放置してまずは前作の攻略から片付けることにした(意味不明)。結局前作は難易度「国王」ではクリアできなかった。労働者を自動化すると金欠から抜け出せなくて厳しい。その後ようやくこの最新作V(5番目)に取り掛かったのだけど、新しいルールを覚えるのがおっくうでしょうがなく、少しやっただけでまたしばらく放置してしまった。そのうちネットでこの最新作の悪評を耳にするようになった。

悪評の詳細についてはアマゾンのレビューを見ていただくとして(おい)、発売後に何度もパッチが当たってアップデートされたことで、ようやく普通に遊べるようになったと言いだす人も出てきた。そこでというわけではないのだけど、私も本腰で取り掛かることにした。

まず感じたのは、前作と比べて時間の尺度が間延びした気がする。前作は1ターン1ターンもっと緊張感があったのだけど、なぜか今回は余裕がある。特に個別の指示を出さずにターン終了のボタンを押すことが多くなった。これを劣化だという人もいるけれど、私は良いことだと思う。こまごまとした操作を要求されるようなゲームはストラテジーを冠するにふさわしくない。もっと大まかな指示でゲームを進めたいぐらいだ。

序盤、何をやってもそう大した違いがないように感じられた。というのは無知ゆえの勘違いで、最初のターンから戦略は始まっている。最初の都市の立地条件、自分が選択した文明により、どのテクノロジーから順に取得していくか、どのユニットや施設から順に作っていくかを決める。

それに加えて今回は社会制度ツリーというまた別の仕組みが加わった。8つの社会制度が用意されていてそれぞれ小さなツリーになっており5つずつ項目が用意されている。ただし最初は3つの中からしか選択できない。「伝統」はもっともバランスが取れたもの、「解放」は開拓者や労働者がもらえるなど早期発展に軸をおいたもの、「名誉」は戦いを有利に進めるためのものになっている。早めに土地を広げたいなら「解放」、蛮族との戦いから他文明への早めの侵攻には「名誉」、そうでなければ「伝統」を選んでおけば間違いないと思うのだけど、今回は幸福資源の囲い込みが極めて重要なので早め早めの土地確保のために「解放」を選びがちになると思う。時代が進むことで順々に選べる社会制度が増えていく。社会制度は順に選択する必要はなく、いわゆる「つまみぐい」ができるようになっている。ただし、一つの社会制度の5つの項目をすべて選択するとボーナスがあるので、たいていの場合このボーナス目当てで一つずつコンプリートしていくことになる。また、五つの社会制度をコンプリートすると、そのあとユートピア計画を完成させることがそのまま勝利条件となる。この勝利条件は序盤から狙っていかないと達成が非常に困難だと言われており、私はこの勝利条件をいまだ達成したことがない。

都市国家という独立勢力があらたに導入された。この都市国家もちゃんと都市の勢力圏をもっており、勢力圏に含まれる資源をちゃんと保有しており、同盟を結ぶとその資源を利用できるようになる。同盟といっても盟約というよりは単に買収するだけw 他の文明がゴールドをつぎ込むとあっさり裏切る。こっちもさらに金を援助するとまた裏切る。ただし戦争状態になると友好度-60のまま固定化されるため同盟状態を取り返せなくなる。都市国家はマップ上に点在していて数が多い。もちろん一つの都市として征服することもできる。あんまり征服していると戦争好きと思われて外交上不利になる。他文明を操作するコンピュータはそういう評価をもとに戦う相手を決めてくるので、基本的にはあまり征服しないほうがいい。買収に必要な金が結構馬鹿にできないというか率直に言って高すぎるので、難易度「国王」以上だとチート状態のコンピュータ(内部的に金を余計にもらえるようにしてある)ばかり同盟を結びまくり、プレイヤーの選択肢の幅が狭まる。金を送ると友好度が増えるけれど、時間とともに友好度は減っていくので、ふんだんに金がないとたちまち無意味となる。都市国家にはタイプがあって、戦争型だと軍事ユニットを提供してくれたり、外征の手伝いをしてくれるようになる。たまに他文明の都市を征服することもあるけれど、例外なく都市を破壊するので勢力は拡大しない。運次第で強力な味方になることもあるけれど、あまりあてにならないことがほとんど。ほかに海洋型や文化型なんかがあり、社会制度の獲得を後押ししてくれたり、食料を届けてくれたりする。

今回もゴールドが重要なのだけど、労働者や都市経営を自動化しているとあまりゴールドがたまらない。もっとゴールドがたまるようにすれば、ゴールドの使い道に関する戦略的な要素がもっと有効になったと思う。ゴールドは使い道がたくさんあり、即席で施設やユニットを作成できたり、外交に使ったり、勢力拡大に使ったり、研究開発に使ったりできる。でもプレイヤーはなかなかゴールドが貯まらない。労働者を一人一人手動で操作してゴールドの貯まる「土地改善」をマップ上に作っていけばいいのだけど、そんな面倒なこといちいちしていられない。他文明との外交でこまごまとモノを売ったりするなど、高難易度での常套戦略となっていてみっともない。

都市が単独で戦闘力を持つようになったので、軍事ユニットを配置しなくても簡単には陥落しなくなった。都市単体で射程2の射撃が行える。威力は低いけど。なので序盤は軍事ユニットを作る必要がなくなったのだけど、蛮族が来るとたとえ都市を落とされる心配はなくても労働者は捕まる可能性があるし(自動化していたら自動的に逃げてくれるけれどそのあいだ作業ができなくなる)、せっかく作った「土地改善」つまり牧場やら鉱山やら交易所などが破壊されてしまうので、ある程度開発した都市には結局軍備が欠かせない。

都市を落とすには最低でも3ユニット以上その時代で強力なユニットを用意する必要がある。序盤だと馬で騎兵や鉄器で剣士やカタパルトを作らないとならない。逆に都市を守るには、それだけの軍事ユニットに都市を攻撃させないように数を減らせばいい。弓兵2体ぐらいあれば普通の侵攻はなんとか防げる。

特殊な条件が揃わない限り、序盤での侵攻には鉄が必要となるのだけど、鉄が自文明の勢力圏にない場合があり、そういうときは守りに徹しなければならない。鉄をいかに確保するのかが最初重要になる。しかしテクノロジーを開発していくとじきに鉄が要らなくなっていく。まあルネサンス時代のライフル兵やカノン砲が出せるまで待たないといけないわけだけど。

なんか細かいことを書きすぎたのでもう少し大雑把に書く。

テクノロジーの開発を進めていくと世界遺産を作れるようになる。世界遺産は全文明を通じて一つしか作れないので、どの文明が早く作るか競争になる。なんだかんだで運の要素が強い。世界遺産にはそれぞれ色々な効果があり、一つあるだけで強力な効果があるものがいくつかあるが、中でも「南京の陶塔」はテクノロジーの開発に大きなアドバンテージがあり、これをコンピュータに取られると低難易度でない限り敗北がほぼ確定してしまう。したがってこの世界遺産を自文明で建てることが必須となる。それを踏まえてテクノロジーの開発を進めなければならない。

今回このように定石がいくつかあり、ゲームシステムの自由度の割に窮屈なプレイを強いられる。テクノロジー「数学」を真っ先に獲得してから世界遺産「空中庭園」だとか、世界遺産「アレクサンドリア図書館」の無償のテクノロジーを利用してさらに高コストテクノロジー「官吏」を手に入れる通称「官吏ジャンプ」なんかがある。

このような定石や攻略法をネットで調べて身に着けたことにより、今回私は初めて本シリーズの難易度「皇帝」で勝利することができた。といっても結構みじめな勝利だった。自文明はエリザベス(イギリス)で、隣にガンジー(インド)とエカテリーナ(ロシア)がいたので、極力相手を刺激しないよう土地の確保を欲張らずに隅のほうで勢力を維持し、比較的平和的なガンジーと友好に加えて防衛条約まで結んでエカテリーナの侵攻に備えた。しかしエカテリーナがガンジーを攻めたので約定により自動的に参戦し、ガンジーと一緒にロシアの領土に攻め込んでいった。当初予想外に有利に戦況が進んでいったので手ごたえを感じたものの、途中でガンジーが侵攻をやめて引きこもって世界遺産づくりにいそしむようになり、単独でエカテリーナの相手をしなければならなくなった。仕方ないので攻め取った都市と引き換えに講和を結び、自分も引きこもることにした。土下座外交でコンピュータを刺激しないようにし、外交交渉でコンピュータ同士を争わせるように仕向けたのだけど、アポロ計画を完成させた頃にあれだけ仲のよかったガンジーが攻め込んできた。泥沼の戦いが続き、ロンドンに核が落とされたりもしたのだけど、今回軍事ユニットがスタックできないせいか敵の侵攻がそれほど厳しくなく、なんとか宇宙船を完成させて宇宙開発競争による勝利を得ることができた。

本来ならさあ次は難易度「不死者」や「創造主」へと進んでいくところなのだけど、そうなるとコンピュータのチート(インチキによるかさあげ)が半端なく、ゲームシステムの穴を突くような攻略をさらに進めなければならなくなる。そうなるとどこが面白いのか自分には分からなくなる。というわけで私はこのゲームを卒業することにした。でも50時間以上は遊んだと思うし(100時間はいかなかったと思うが)、またプレイしてみたいという気持ちもまだ残っている。

難易度「国王」ぐらいで攻略法を自分で手探りしながら遊んでいくのが一番楽しいと思う。ただ、自分だけでやっていると、なぜ序盤うまく進められないのか分からなくなる。私も最初は何も見ずにやっていたのだけど、良かれと思ってやったことが知らず知らずのうちに裏目に出ていたりした。ゲームシステムが複雑なので、たとえば都市を効率よく発展させることが出来るようになると、人口増加により幸福度がどんどん下がっていくので、そこで何か有効な手を打たないと逆に効率が悪くなる。幸福資源の確保や都市国家との友好を結んだり社会制度を整えるなど、あらゆる戦略が取れるようにならないとなかなか上向いていかない。わざと人口増加を抑える戦略もあるけれど最初は気づかない。ゲームバランスの高度さが逆にゲーム自体を分かりにくくしてしまっているように思った。

高度なゲームバランスにより、なんと一都市だけで勝利することも出来る。都市の数が少ないと生産力や研究力に劣るものの、一つの都市に注力できるので世界遺産を獲得しやすいし、社会制度は下手に都市を増やさない方が拡充できるようになっている。一都市だけで勝利するには、社会制度によるユートピア計画か、国連での外交勝利ぐらいしかなさそうだが、十分狙っていける。最高難易度「創造主」でもそれで勝利できる、というかこれが一番簡単らしい。うーん。

完全に3DになってしまったのでPCにスペックが要求される。幸いにも私はFF14(ファイナルファンタジー14)のためにCore i7 860とRadeon HD 5870を搭載したマシンがあったので楽勝だった…と言いたいけれどゲーム後半になるとどうしても重くなった。Celeron G530とGeForce 9600GTのマシンで遊んだときはさすがに重かった。グラフィックスのオプションを調整すれば絵の質を落とす代わりにパフォーマンスを確保できるけれど、せっかくだからきれいな絵で遊びたい。ちなみにFF14はβ版の評判が悪かったのでスルーした。のちにパッケージが500円で投売りされていたのを見て買って遊んでみたけれど、つまらなかったのですぐにやめた。

というわけで人に勧めづらいゲームになってしまった。もともとマニア向けのゲームなのだけど、たとえば任天堂のファイアーエムブレムシリーズとかシムシティみたいな箱庭系ゲームの好きな人に勧めるのは無理だろうなあ。アドバイザーといってゲーム中に所々ルールを補足説明してくれる機能があるのでなんとなくゲームを進めるのは簡単なのだけど、ゲーム自体を面白く思えるかどうかはまた別問題だと思う。

攻略サイトに載っていたプレイレポが参考になるし割と面白かったので紹介しておく。
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