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WALKMAN NW-A846
ソニーのシリコンオーディオプレイヤー。デジタルアンプとノイズキャンセリング機能を搭載した32GBフラッシュ内蔵のモデル。かつてテープを使った携帯オーディオプレイヤーのウォークマンで世界市場を席巻したソニーが、電子技術の発達によりパソコンとつなげてデジタル音楽を楽しむ時代になってアップルのiPodに圧倒的なシェアを奪われたのに対抗して、大々的に反撃を開始した中での高音質を謳ったモデル。

私は数年前に家電量販店で「国産オーディオプレイヤー」が入っていると書かれて売られていた謎の福袋を買って手に入れた東芝製のGIGABEATを愛用していたが、重い割に10GBしか容量がなく8時間程度しかバッテリーがもたなくて見劣りしてきたので、ネット上の知り合いがこの新しいウォークマンを買ったということもあって話題ついでに自分も買い換えて選んだのがこのモデル。

他にも候補となる製品があり、特に動画も撮れるカメラ内蔵とソフトの便利さという評判に引かれてiPod Nanoにだいぶ傾いたり、メジャーなブランドよりもアジアの新興メーカー製のコストパフォーマンスに引かれたりもしたのだけど、結局決め手となったのはノイズキャンセリングとデジタルアンプ搭載で音質の高さを掲げていたウォークマンになった。電車の中など騒音の大きい場所でも良い音で聞きたいという希望と合致した。

ノイズキャンセリングについては実際のところどこまで有効か分からない。密閉型のヘッドフォンをつければ外の音はあまり聞こえなくなるから。私が最近愛用していたKOSSのヘッドフォンは耳栓のように伸縮性のあるゴムを耳につめる方式なので、たぶん下手なノイズキャンセリングよりも有効だと思う。ただし耳には悪そう。

このウォークマンに付属しているヘッドフォンもカナル型で結構密閉されている。その上でのノイズキャンセリングだから具合はどうかというと、ノイズキャンセルには得意な周波数帯とそうでない周波数帯があるみたいだ。音楽の再生が終わって無音になってからウォークマンの電源を切ってノイズキャンセルが働かなくなるまで耳をすませてみると、周囲の雑音が突如ゴーッと聞こえるようになる。このゴーッの音あたりが一番キャンセルされているわけだ。一方で、サーッという高い音にはそれほど変化が見られなかった。技術的にも高周波域はあまり得意じゃないと思う。それとも高い音は単なる密閉で十分にカットできているからだろうか。はっきり分かりやすいほど効果は体感できるけれど、細かい音質に影響を与えている高周波については効いているのかどうかよく分からなかった。まあ空調の多少うるさい部屋でも大きめの音量で音楽を聴いたらあんまり音質の劣化を体感できないのでこんなものかもしれない。クラシックの室内楽でも十分楽しめるレベルで効果は高い。

デジタルアンプについては元気な音が出ていると思う。最近じゃデジタルアンプなんて珍しくもなんでもなくて、液晶テレビなんかにも普通に使われてるみたいだし、デジタルアンプというだけで高級な感じがするのは単なるイメージなのだけど、スピーカーの駆動力が高いことは確かで、それは普通に聞いていても体感できる。正直ちょっと最初は耳が痛かった。でも慣れてくると張りのあるピチッとした音が耳に心地よくなってきた。音楽の再現性という点では少しいまいちなのだけど、音楽を楽しむという点では良いと思う。それにこんなに小さい装置からここまで元気な音が出てくるのには驚いた。ちょっと気になるのは、デジタルアンプのほうがアナログアンプよりも消費電力が低いと聞いていたのだけど、デジタルアンプを搭載しているモデルのほうがバッテリーの持続時間が短いことだった。

バッテリーは公称で29時間もつらしい。しかし色んな機能をオフにした上での計測らしく、私が実際に使ってみると7時間ほどでバッテリーメーターの目盛りが残り1ブロックになった。あまりに差があるので唖然とした。イコライザとか余計な機能は使っていないけれど、ノイズキャンセラーが結構バッテリーを食うのかもしれない。ヘッドフォンには小さいマイクが内蔵されていて信号処理するのだから仕方ないか。それともノイズキャンセラー自体はそれほどではなくて、単に選曲に手間取ってプレイリストをいじくっているうちに液晶のバックライトでバッテリーを食っているのかも。まあとはいってもバッテリーメーターが残り1ブロックになってからさらに点滅するようになるまで数時間、そこから強制電源遮断までがさらに数時間掛かるので、なんだかんだで15時間ぐらいは再生できているかもしれない。

パソコンのほうで使うソフトウェアは、ネットの評判では使い心地が最悪だという話だったので期待していなかったのだけど、それほど使いづらいとは思わなかった。X-アプリというどうやら新しいソフトになって使い勝手が良くなったのかもしれない。CDから取り込むとTOCを読んでネット上のデータベースを見に行って自動的に曲名を設定してくれるのはフリーソフトでも出来てしまう世の中になったけれど、このソニーのアプリは既にCDから取り込んだ電子ファイルを解析してどのCDの曲なのかを自動判定する機能がついている。これはものすごく便利で感動した。精度はたまに間違うけれど十分高い。

MP3みたいな非可逆変換ではなくCDそのままの音質が保てるlosslessな形式として、ソニーが独自開発したATRAC系列のなんたらという方式が使える。転送先の機器に応じてlosslessを差分データで実現するというちょっと面白い趣向の形式だった。最初私もこれで行こうと思ったのだけど、他に対応しているソフトが少なすぎてあとで困りそうなので結局使わなかった。いくら音質が良いとはいってもlossless必須なほどの機器とまではいかないので、結局圧縮率と利便性を考えてMP3の192kbpsにした。flacあたりに対応してくれていれば良かったのになあ。

ビデオも見れるけれど、まだ見たことない。ラジオも聞けるけれど聞いたことがない。録音も出来るけれど使ったことがない。ワンセグ放送が見れるモデルもあったけれど考慮しなかった。無線LANでネットサーフィンも出来るモデルもあって、公衆無線LANサービスに入っている私は少し検討したけれど、ネットでの評判が最悪だったのでやめた。

小さくて軽くて割り切った機能を持っているところが良い。iPhoneや日本の携帯電話を持っている人はそれで音楽だって聴くことは出来るのだけど、それとは別に携帯オーディオプレイヤーを持っている人が多いのは、独立していて単体での機能性があったほうが良いという判断なのだろう。二万円ちょっとという値段は安くはないけれど、この小ささこの軽さこの美しさを考えると高くはないと思う。

ただ残念なのは、一度硬い床に落として表面のガラスの端っこが破損してしまった。幸いなことに表示部には掛かっていないので機能上は何の問題もないのだけれど、普段使っていればよく目につく場所に傷がついてしまった。これだけ軽いのだから、素材を選べばもっと頑丈に出来るように思うのだけど…。保護シートを買えということなのだろう。
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